よく僕が傾聴を教えていると、
こんなことを言う方がいいます。
「傾聴か~、傾聴はね~…。」
「聴くだけじゃね~。」
「傾聴はスキルだからね~。」
と何やら微妙な反応が返ってくることって
結構あります。
そしてそれを聴く度になんだか残念な気持ちになります。(^^;
そしてそして、こんな思いが湧いてきます。
「いやぁ~別に傾聴自体に興味があるわけじゃないんだよ僕も。」
って。
きっとこれを読んでいるあなたもそうでしょう?
傾聴自体に興味があるわけじゃなくて、
もしくは聴く事を通して達成したい何かがあるのです。
傾聴はその為の手段。
聴く力を身につけたいのは、その為の手段ですよね。
(そうじゃなかったらごめんなさい。)
なぜこんな話をしているかというと、
このお話はメタアウトカムという心理学でいう所の
目標を超えた目標と関係があるからです。
今日は簡単にそのお話をしていこうと思います。
さて、心理学では目標をアウトカムと言います。
はい、英語にしただけです。(笑)
そして、その目標を超えるものをメタ・アウトカムといいます。
メタは「~を超えて」という意味です。
つまり先ほど説明したように「目標を超えた目標」がメタアウトカムです。
ゴール設定をする時は、アウトカムを設定するのではなく、
メタアウトカムを設定することが有効とされています。
それはなぜかというと、アウトカム(目標)が通過点になるからであり、
アウトカム自体を目標にしなくなるので、
もっと先を見据えた広い視点が得られるからです。
先ほどの傾聴の例でいうと、
傾聴を学びたいというのがアウトカムですね。
そして傾聴を通して達成したい何か=メタアウトカムです。
この何かには例えば、
・部下の話を聴けるようなり、もっと深いコミュニケーションがしたい。
・友だちのお話を受け止められるような自分になりたい。
・大切な人の話を聴けるようになって欲しい。
・もっと相手のことを理解したい。
といったことが入るかもしれません。
このようにメタアウトカムを設定することで、
目標は手段へとポジションが下がっていきますし、
それを目標自体を目標としない為に、
アウトカムを達成することで何を望んでいるのかを
常に意識することができます。
そうするとブレなくなりますし、
アウトカムを達成する為には、
実は他の手段もあるし、あっていいんだと、
より広い視野で捉えられるようになります。
するとすると…、
選択肢が広がっていくのです。
例えば先ほどの
「友だちのお話を受け止められるような自分になりたい。」
というアウトカムであれば、
別に傾聴じゃなくてもいいのです。
そんな自分になれるように、
まずは自分の状態を整えるために、
カウンセリングでもいいでしょうし、
ヨガや運動・スポーツを通して、
体から心をリフレッシュすることで、
そんな自分に近づけるかもしれません。
また自分の人生を受けとめることが先決だと、
自分の人生に一生懸命にまずはなることも
そんな自分に近づける一歩になるかもしれません。
このように選択肢が無限に広がるのです。
何かを学ぶとき、
アウトカムに捉われ過ぎて、
手段やアウトカムに振り回されないようにしてくださいね。
これを読んでくれているあなたは、きっともっと先を見据えているはずなのですから。
