なんでも話してくれと言っても話してくれない理由

「どうぞなんでも話してください。」

というスタンスは、

間口が広すぎて、

何から話していいか分からないということにも繋がってしまうことがあります。

話好きの方なら大丈夫ですが、

そうではなかった場合、相手に負担を掛けてしまう可能性もあるのです。

 

また、何から話していいかがわからないと、

目下苦しいことが語られる場合が間々あります。

 

例えば、朝起きられないんですとか、

仕事に行こうとすると動悸がするんですとか、

最近頭がずっとぐるぐるするんですとか、

冴えないんですといったように、

症状として出ているものや、

最近苦しいことが語られるのです。

 

ただ、これは目下苦しいことであり、

援助側が聞きたいことは、

その経緯や、

そこに隠れた気持ちや、

心の動きです。

 

ですから相手が語りたい話を語りやすいように援助をし、

語る負担を減らしていくことも大切なのです。

 

例えば「今日はどういったお話ですか?」という切り出し方より、

「どういったご相談ですか?」という方がいいですし、

「ここへ来た経緯と、理由を簡単で結構ですのでお聞かせいただけますか?」

といった方がいいかもしれません。

 

また、語りだした時にそのままずっと話を聴いていくより、

「お話頂いた中で、一番困っていることは何ですか?」

「お話頂いた中で、一番解決したいことは何ですか?」

といったように話を絞っていく方が相手としても、

自分が今一番困っていることや解決したいことを話しやすいですし、

限られた相談時間を有効に使うことが出来ます。

 

こういったように、相手が話しやすいようにサポートしたり、

一番気になっていることが語られるようにサポートをすることも大切なのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。