避けたい事を目標にしてはダメ

悩んでいる方というのは、目標を回避的設定することがよくあります。

 

例えば、

「不安になりたくない。」

「自分をこれ以上嫌いにならないこと。」

「自分を責めないこと。」

といったようにです。

 

こういう回避的な目標の場合は、

その回避したいことに意識が行っていますし、

本来得たい状態に意識が向いていません。

 

というのも「不安になりたくない。」のも、

例えば

「日々を安心して過ごしたい。」

「小さいことを気にせずにいられたら、本当にやりたいことに集中できる。」

「相手を信じたい。」

といったような得たい状態の為であるわけです。

 

つまり避けたいことは、得たい状態を達成する為の手段であることが多いのです。

 

ですから、手段だけに意識を向けてもらうのではなくて、

得たい状態に意識を向けなおしてもらうのです。

 

そこでする質問は、次のような質問です。

「〇〇が少なくなったとしましょう。その時、あなたは〇〇の代わりに何を感じていると思いますか?(何をしていると思いますか?)」

といったような質問で得たいものに目を向けてもらう。

 

そのような援助も大切なのです。

 

ただ、それに対して答えてくれない場合もあります。

 

そういった場合は、その回避的な目標をより”具体的に”聞いてきます。

 

具体的に聞く際は、行動レベルで分かるように聞いていくことが大切です。
※ただ、そもそも自責や不安がなくなることはありません。ですから、その程度が減っていくといった方向性で援助をしていきます。

 

その際「不安が今よりもいくらか減ったかなと、どんな場面で気づくと思いますか?」

といったように、現実生活の場面や行動レベルに落とし込んで聞いていきます。

 

他にも

「不安が減ってきたなとわかる、小さなしるしは何でしょう。」

「どうやって不安が減ってきたとわかると思いますか?」

「不安が減ってきたなとわかる、最初の小さな兆しは何でしょうか。」

「あなたの周りの人は、あなたが不安が減っていたなとどんな違いから気づくでしょうか?」

 

という客観的にわかる行動に目を向けてもらいます。

すると援助側もそういった場面や行動を目指せばいいのかと、

そのようなこともわかってきますし、

するとすると援助もしやすくなるのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。