「傾聴をするのが辛い。」
という方がいました。
その方に「どうしてそう感じたんですか?」
と理由を聞いていったら、
「否定しちゃいけないし、間違っていることも我慢しなきゃいけない。」
と答えてくれました。
確かによく否定しちゃいけないと言われたり、
間違いも指摘してはいけないなんてことも聞きますが、
本当にそうなんでしょうか?
その方は対人援助のお仕事をしていて、
そのお仕事の文脈では、
ダメなものはダメと否定しなければいけないタイミングはあります。
それは仕事を教えていく上ではとても大切なことです。
ですから、仕事では教育的にかかわることの方が傾聴するより大切な時や、
知識を教える(アドバイス等)必要があることもあるのです。
勿論伝え方はその方が落ち込むようなものではやはりいけませんから、
その辺りはご本人が受け取りやすいように工夫をする必要はあります。
傾聴をすることで、自主性を尊重することや、
ご本人の気持ちや存在そのものを大切に受け止めていくことも大切ですが、
一方で、僕たちは何かを身に着ける段階の時や技術をトレーニングしていく段階の時もありますから、
ケースバイケースによって関わり方を変えていく必要があるのです。
ただここで忘れてはいけないのは、
教育の目的は誤りを正していくことではなく、
ご本人が出来るように育てていくことなのだということ
なのでございます。
