心を開いてくれない方へとアプローチする場合は、
次のような二つの方向性があります。
一つ目は、言わなくてもわかってくれると感じてもらうえるように、
相手の気持ちを汲み取って言葉にしていくことです。
例えば、心をあまり開いてくれない方というのは、
あまり本心を話したり、口数が多くはありません。
その為、少ない情報からその人なりや心の痛みを汲み取り、
少しずつ言葉にしていくのです。
この少ない情報の中には、相手の言語内容と非言語メッセージからなり、
特に非言語の部分と、相手のそういった行動の裏にある意図を積極的に
汲み取っていくことになります。
ただ一方で、
積極的に援助側が汲み取っていくことになりますから、
汲み取ったその気持ちなどが相手の現実とうまく合わずに、
心の距離を余計に作ってしまう可能性もあるのです。
さて、では二つ目は何かというと
その話したくない気持ちにペーシングをし、
話してくれるまで待つ方向性です。
例えば
「あなたの為の時間ですから、話したくないこと以外は話さなくていいですから、
そしてもし話したくなったらあなたのペースでお話をしてくださいね。」
といったように話したくない気持ちにペーシングをしていったり。
「そうですよね。せっかく勇気をしたのにわかってもらえない辛さをきっとあなたはわかっていますよね。
だからもう傷つかない為にも、自分を大切にする為にも慎重にかかわろうとするのは大切なことです。
ですから無理に心を開いていいとは言いませんし…。」
といったように心を開かなくなった気持ちに対して、
その意図を言葉にし、相手とペースを合わせていく。
そしてペースを合わせながら、相手が話したければ話を聞きますし、
話したくない時はそっとその場に一緒にいる。
そのような気長にまつ援助の方向性もあるのです。
人に心を開くということは、とても勇気がいることですから、
時間を丁寧にかけて援助をしていくという方向性です。
このように心を開いてくれない方にアプローチする場合は、
このような二つのアプローチも有効なのです。