今日は傾聴実技コース4日目。
「意図を自覚して話を聞く」というテーマで講義を行いました。
僕たちがコミュニケーションをする時に、
どれくらい意図を自覚しているだろうか?
僕たちがコミュニケーションを取る時は、
どういう意図でその質問をしているのか、
共感をしているのか、ねぎらいの言葉を掛けているのか、
そういった一つ一つのコミュニケーションに対して、
無自覚にでいることが多いのです。
何となく頷いていたり、
聞きたいから質問したり、
とりあえず言いたいから言ったり、
といったようにあまり”意図的”にコミュニケーションを取ることはありません。
ただ、それではコミュニケーションはあまり上手にはなりません。
自分がどのような意図を持ってコミュニケーションをするか、
これが上達へのカギになるのです。
なぜならコミュニケーションは、その瞬間瞬間が選択の連続であり、
その中でベストを尽くすことが大切であり、
その自分のベストを尽くすためにも、
自分の意図に自覚的にコミュニケーションを取ることが大切だからです。
例えば「最近辛いんです。朝起きられなくて仕事になかなか行けないんです。」
と相談されたとしましょう。
この時に、反応の選択肢として色んなものが考えられます。
例えば、
「最近お辛いんですね。大変ですね。」と共感する選択肢。
「いつからそのような状態になったのですか?」とキッカケを聞く導入の質問を行う選択肢。
「そうでしたか。相談してくれてありがとうございます。その状態で相談に来ること自体大変だったでしょう。」とねぎらいの言葉を掛ける選択肢。
「仕事になかなか行けないということですが、行けている日もあるんですか?」と例外を聞く選択肢。
等々挙げたら切りがない程に選択肢があります。
こういった数ある選択肢の中で、
自分がベストと思えるものを意図を持って選択していくこと。
これがとっても大切なのです。
そして、その選択をするにも「なぜそれを選んだか?」という理由を持っていること。
これもとっても大切です。
何となく受け入れた方がいいと思ったから数ある選択肢の中で受容しました。
ではなくて…、
今はクライアントの精神状態が不安定な為、
ねぎらいを行ったり質問で考えてもらうよりも、
まずは気持ちを受け止めることが優先され、
気持ちを受け止める事により、
少しでもまずは落ち着いてもらえるように
「受容を選択」しました。
といったように、それを選んだ理由=意図を自覚することが大切なのです。
なぜならこの意図を自覚していなければ、
コミュニケーションは何となくで終わってしまい、
改善はあまり望めません。
一方で、意図を自覚していれば、
その意図が満たされるように、
よりコミュニケーションの手段を改善していくことが出来るのです。
例えば先の例でいうと、
相手にまず落ち着いてもらえるようにという意図がありましたね。
そしてこれを満たす手段として「受容」を選択したわけですが、
本当にその意図を満たすために受容をすることがベストだったのでしょうか?
相手にまず落ち着いてもらえるようにするということを目指すのであれば、
例えば保証といって、相手が置かれている状況を多くの人が体験することであり、
なんらおかしいことではないですよと、
安心してもらう為の言葉がけの方が有効だったかも知れません。
またもしかしたら、「大変でしたね。」とねぎらいの言葉を掛けながら、
「まずはお茶でもどうぞ。」と差し出す方が有効かもしれません。
はたまた、聴き手側がどっしりと落ち着いて構えて微笑んで、
ただじっと聴いている方が有効かもしれません。
このように意図を自覚していれば、
それを上手く表現する為の手段の工夫が出来るのです。
この工夫こそがコミュニケーション上達へのカギなのです。
今日の講義ではこういった意図を自覚し、
よりベストなコミュニケーションを取れるように工夫するトレーニングを行いました。
「普段意図を自覚することなんてないので、難しいけれどとても大切だと感じました。」
という感想を頂きました。
そう、僕たちは普段あまり意識してコミュニケーションを取ることがありません。
だからこそ意識して、意図を持ってコミュニケーションを取ることが大切なのです。
さてさて、次回の傾聴実技コースは4/6(土)スタートです。
是非お越し下さいね。