カウンセリングをしていると、

ごく稀にこんな方と出会います。

 

自分の気持ちが過度に相手の影響を受け、

相手が楽しければ、自分も楽しい。

相手が悲しくなれば、自分も悲しい。

このようなに相手の状態に引っ張られて、

自分の気持ちが左右される状態です。

 

過度にというのがポイントです。

通常僕たちは、互いに影響をしあっていますから、

相手からの影響はやはり受けてしまうものですから、

影響を受けて気持ち左右される時もあります。

 

ただ、過度に影響を受ける場合は、

相手に過度に依存的になっていたり、

その為に、自分と相手との境界線がうまく引けず、

自分の気持ちがよく分からなくなったりすることがあります。

 

僕がカウンセリングした方は、

自分でその状態のことをこのように語ってくれました。

「自分がない。」と。

そう、自分が少しどこかへと行ってしまっている状態なのです。

ですからそんな時は、

自分を取り戻していくことが大切です。

 

相手が何が好きではなく、

「私」は、そもそも何が好きだったのか。

一人で何をしている時が楽しい or 楽しかったのか。

このように、誰かと一緒にいる時の自分ではなく、

誰も周りにいなく一人でいる時の自分の状態を思い出すことや、

誰の影響を受けていない自分の心を思い出して感じていく。

 

それは、自分の気持を自分の範囲内で感じるということ。

自分の範囲内で感じるということは、

自分のたった一つの体のという領域から湧き上がってくる気持ちを感じること。

 

人から影響されて湧きあがってくる気持ちではなく、

自分というたった一人の自分といる時に、

感じることが出来る気持ち。

それを思い出していく。

また、感じていく。

 

それは自分の心を取り戻していく、

そんな大切なプロセスです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。