「野川さんが出した課題というのは、気持ちを受け止めるという方向性で、
自分を許すとか受容するとかそういう方向性ですよね。」
(中略…。)
「そうではなくて、
クライアントが選んだのは川に石をなげるということです。
クライアントは、現状肯定よりも成長を望んでいますよね。」
「そしてその反発心も希望に繋がるように見えますから、
それを利用してみてはどうでしょうか?」
「今まで下げていた顔を上げれたからこそ、先にある目標が遠く見えるようになったわけで、
そこがまず一つ大事なこと。
そして、顔を上げるとゴールの遠さと、現状の辛さが見えるので前に進む難しさが際立つ。
でも、それは顔を上げている証拠。
だから希望とか、力の源が本人の中から見つかる方向性で援助をすることが大事なのでは?
顔を上げて変わりたいという思いに少しでも沿うように、
力づけをしていくことも、
気持ちが癒えてきて前を向けるようになってきたら大事なのですよ。」
ということを以前に学びました。
kライアンとに出す課題に対してそれが現状肯定だとか、
成長を望んでいるクライアントにあったものなのかとか、
そういったことを考えたこともありませんでした…。
もうこんな自分は嫌なんです。
変わりたいんです。
という方に労いをしてもしょうがないのですが、
まずはそこまで頑張れた自分をと、
気持ちのケアを優先することが多かったのですが、
やはりそれではいけないのだと改めて学んだのでした。
「クライアントは、現状肯定よりも成長を望んでいる。」
この言葉は、自分にとってはなんだか衝撃でした。
成長したい気持ちの中にある反発心や、
頑張りたい気持ちや、
もう二度とこんな思い嫌だという痛みや、
変わりたいという気持ちの中にある願いや、
決意や努力などを後押ししたり、
うまくクライアントが利用できるように援助をしていく。
これは今まで全く発想にありませんでした。
こういった援助の形も本当に大切ですね。
ただ、こういった援助は本当に難しいと今は感じますが、
ゆくゆくは出来るようになりたいなと、
そう願って今日も一つ一つ臨床に取り組んでいこうと、
改めて思ったのでした。