傾聴

昨日は今年最後の傾聴講座でした。

今年最後の回もきちんと開催ができて、

本当によかったです。

 

今回も皆さん熱心に学んで頂いて、

とっても実り多い時間となりました。

 

仕事につかえるかな?

部下とのコミュニケーションに活かせるかな?

友だちに聞いたけれど、傾聴って何だろう?

子供の話を聞きたい。

兄弟の話をもっと聞いて力になりたい。

誰かの役に立ちたい。

聞くのを学んだ方がいいと言われた。

 

色んな方々が、この「あ、そうだ!傾聴講座!」の門を叩いてくれました。

傾聴は、普段あなたが聞いている話の聞き方と

ちょっと違う聞き方だけれど、

とても大切で、とても面白くて、

とてもあったかい話の聞き方です。

 

あなたもきっと人生で一度や二度、

相手に話を聞いてもらって、

受け止めてもらって、

涙した経験はあるんじゃないですか?

 

僕は何度も何度もあります。

 

聴いてもらう、

そこに一緒にいてもらう。

しっかりと受け止めてもらう。

たったそれだけで、

たったそれだけでも、

人の気持ちはほぐれ、

安らぐものなのです。

 

傾聴は、そんなお話の聞き方です。

 

目の前の人の今を受け止めて、

それに対して言葉を掛けていく。

そんな今をとっても大切にするコミュニケーションです。

 

「今」を大切にするということは、

相手の「今の気持ち」に気づくということです。

そして今の気持ちは、どこに出ているかというと、

まさに今目の前であなたに話しかけてくれている

相手の声や、そのトーンや、表情や、姿勢や、しぐさや、

至るところに表れています。

 

その今を”聴く”のです。

それが傾聴です。

 

だから傾聴は、「五感」を鋭くして体全身で聴くことだよ。

 

なんて言われるのです。

 

「傾聴といえばオウム返しでしょ?」

なんてよく言われますし、

そういった勘違いをなさっている方ともよくお会いします。

 

でも僕はオウム返しとか要約とかそういったスキルを教えたいわけでは全くありません。

 

そういったスキル自体には興味がありません。

僕がずっと昔から興味があって、

今も興味がある唯一のことは、

”今の相手の気持ち”です。

 

過去に何があったとかでも、

この先どうしたいかでもなく、

今のあなたの気持ちです。

 

僕の願いはただ一つ。

その今のあなたの気持ちに気づき、

そんな”今”のあなたとコミュニケーションを取ること。

 

たったそれだけです。

 

そして、そんな今のあなたとコミュニケーションをとって、

少しでも力になること。

少しでもその苦しみが減るように、

お手伝いをすること。

 

たったそれだけです。

 

これだけは昔からずっと変わっていません。

 

10年間その術を探して続けてきましたが、

この世に存在しているそのもっとも近いものが、

たまたま「カウンセリング」と名のつくものでした。

だから僕は、カウンセリングを学び、

カウンセラーをしています。

 

だから僕は、カウンセリングを教えたいわけでも、

傾聴を教えたいわけでも実はありません。

 

僕の目の前に来てくれた、

少しの苦しみと、

痛みと、

時に絶望を抱えてきた、

その方に寄り添い、

その気持ちを受け止め、

その今はどうしようもなく感じているかもしれない、

その心の痛みが、

ほんの少しでも和らぐように、

思いの丈を伝えてくれたその気持ちに対して、

わずかばかりの言葉を返していくこと。

 

ほんの少しでも、

自分を受け止められるようにお手伝いをすること。

ほんのちょっとでも、

その悲しみや苦しみの奥にある大切な気持ちを感じれるようにお手伝いをすること。

 

辛い辛いその気持ちの中に、

自分かけらがあるよって、

ほらこんなにもこうしたかったんでしょ。

こんなに大切にしたかったし、

大切にしたかったんでしょって、

そうただ伝え返すこと。

 

生き辛さを抱えて、

家にいても批判の矢にさらされ、

外にいけばピエロのように振る舞い、

仮面の下で沢山泣いてきた方が、

ほんのちょっとでも、

恐れることも、

怖がることもなく、

取り繕うこともなく、

ほんの一瞬でも、

自分といられるように、

そんな場所が作れるように、

努力し続けること。

 

僕がしたいことは、ただそんな些細なこと。

 

そして僕があなたにして欲しいことも、

そんな些細なことなのです。

 

あなたの眼前に同じような方が来た時に、

あなたがそういった方の助けになれるように、

しっかりと受け止められるように。

大切にしたい、

誰かの役に立ちたいというあなたの思いを、

あなた自身がしっかりと大切にできるように。

そして、

それをしっかりあなたが表現できるようになること。

 

僕の願いはただそれだけです。

 

その願いを叶える手段が、

誰よりも丁寧に話を聞くこと。聞けること。

ただそれだけで、

それがたまたま「傾聴」という言葉で、

この世に広まっていたので、

僕は「傾聴」という先人の言葉をお借りして、

傾聴を教えているのです。

 

さて、ちょっと長くなりましたが、

来年も自分の出来る範囲にはなりますが、

精一杯、相手の「今」とコミュニケーションを取り、

支えになっていく術をお伝えしていきますので、

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

今年も大変お世話になりました!

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。