話を聞くというコミュニケーションの中には、
共感や受容があります。
これらは、相手の気持ちを受け止めていくという点で、
どちらかというと受動的なコミュニケーションです。
一方で、ねぎらいというコミュニケーションは、
相手の気持ちを汲み取り、
その気持ちに対して声をかけていくという点で、
能動的なコミュニケーションです。
傾聴基礎コースでは、受動的な聞くというコミュニケーション以外にも、
能動的に働きかけていく「ねぎらい」を行っています。
先週の土曜日は、その「ねぎらい」の講義でした。
ねぎらいは、相手の気持ちや相手そのものを労わるコミュニケーションであり、
悩み相談の場面ではとても大切なコミュニケーションです。
ただ、僕たちは日常生活であまり労われた経験がありません。
その為、相手をねぎらうコミュニケーションとして頭に浮かぶ言葉が、
「頑張りましたね。」
「大変でしたね。」
といったであることが多いのです。
この二つの言葉は、Howが抜けています。
つまり「どのように?」が抜けていて、
その為に個別性が薄くなってしまっているのです。
ですから、ねぎらう場合は目の前の一人の人を大切にする意味でも、
個別の頑張りや大変さをねぎらっていくことが大切なのです。
実際に受講生と演習をしている時も、
受講生は「とても大変でしたね。」
という言葉を相手に掛けられていました。
勿論これはこれでいいのですが、
より目の前の一人の人に寄り添ったねぎらいの言葉を掛けるべく、
次のようなトレーニングを行いました。
「とても大変だったのは、何故大変だと思いましたか?」
とその労いの言葉の根拠や理由を聞いていき、
それに対して答えてもらうトレーニングです。
実際に答えてもらうと、
その根拠や理由が色々と出てきます。
先の例だと、
「母を介護施設に預けるなんて大変だ。」
という言葉が出てきましたので、
「どうして母を介護施設に預けることが彼女にとって大変だったんでしょうか?」
と、また質問をしていきます。
すると
「彼女は母親を大切に思っていて、家という安らぐ環境で面倒を見たいとずっと思っていました。」
「でも、彼女は今仕事とのバランスが取れなくなってきて…。etc…」
といったように、最初の「とても大変でしたね。」の言葉の裏にある
受講生が受け取った思いや背景が出てくるのです。
僕たちは、相手から沢山のことを受け取っていても、
それを言葉にする時には、
一言にまとめすぎてしまったりすることがあります。
ですからそれを解いていって、
また言葉にし直していくプロセスが、
より相手に寄り添った言葉を掛けていく為に役立つのです。
こういったトレーニングを傾聴基礎コースでは、
行っていますのでご興味がある方は是非お越しくださいね!
次期の傾聴基礎コースは、3月21日(土)スタートです!