カウンセリングにおいて大切なことは、

1つ目は、カウンセリングの場が日常のストレスから離れる場になる事。

2つ目は、主訴とは別に、平行して今までと違うパターンを身につける場になる事。

3つ目は、抱えている感情を降ろしてもらう場になる事。

この3つです。

 

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

日常のストレスから離れられる場

僕たちはストレスフルな日常を生きていますから、

そのストレスから少し離れて、安心して自分と向き合う時間がありません。

 

でも日常のストレスから離れるということはとっても大切です。

旅行にいったり自然と触れ合ったりと、

仕事やストレスから離れた場に身を置くだけでも、

ストレス解消することがありますよね。

 

そこまで行かなくても、

日常のストレスからカウンセリングの場が一歩離れて、

落ち着いたり、安心な場になること。

 

仕事で疲れたこころの羽を休ませる場所になること。

 

これはとっても大切です。

その疲れを、その痛みを受け止め、

願わくば心のエネルギーが満たされるように、

そんな場づくりを一緒にしていく。

 

その為に、カウンセラー側はペーシングをしたり、

受容したり、共感したり、ねぎらいをしたりしていくのです。

 

そして、今書いた関わり方が難しく感じても大丈夫。

 

目の前の人にとってあなたといる時間が

日常のストレスから離れられる場になるように、

安心できる場になるようになれば、

その手段に特にこだわる必要はないのです。

主訴と平行して今までと違うパターンを身につける場になる事。

主訴とは、その字のごとく相手が「最も訴えたいこと」です。

カウンセリングでいうと、

友人Aさんを前にすると、ついつい怒ってしまう。

自分の為にBさんを許したいけれど、やっぱり傷つけられたことが許せなくて、

この気持ちを何とかしたい。

人前で上がってしまうので、もっと自信をもって話せるようになりたい。

といったようにカウンセリング中で変えたい心の癖であったり、

何とかしたい感情のわだかまりのことを指します。

 

この主訴とは別に人には、これまで生きてきた人生の中で、

心にひずみが出ることがあります。

 

例えば、

人が自分から離れていくと思うと、

どうしようもなく寂しくなってしまって、

癇癪を起したり、自暴自棄な行動をとってしまう。(主訴)

 

という方がいたとしましょう。

 

人が離れる事に対して過度に恐れたり、

離れていくことで急に寂しくなったり、

離れていく相手に激昂してしまったり、

といったような心の癖に直接取り組むことも出来ますが、

その前に大切なことがあります。

 

それは、もしかしたら小さい頃に育まれるはずだった

人に対する「基本的信頼感」を学ぶ機会がなかったのかもしれませんし、

愛を学習する機会が少なかったかもしれません。

 

でもこれは直接本人に言うと、余計に苦しめてしまいます。

 

その為、主訴とは別にこっそりと学んでもらいます。

 

例えば

・信頼できる人間関係をカウンセラーとの間で作る。

・まずは、カウンセリングの場を安全な場にする。

・人から受け入れられる経験を学んでもらう。

といったように。

 

このように、並行して本人がこれまで学んでこなかったことを、

学び直す場にすることで、結果的に苦しみが少しずつ軽くなっていくのです。

抱えている感情を降ろしてもらう。

そして大切になってくることは、

目の前の人が抱えている感情のわだかまりを降ろしてもらうことです。

 

僕たちは様々なストレスから、

自分ではどうにもできないような感情を抱えてしまうことがあります。

 

そしてその気持ちの波に飲み込まれて、

自分を見失ってしまったり、

苦しんでしまったりすることがあります。

 

カウンセリングの場が日常のストレスから離れ、

安心できる場になってくると普段抑え込んでいた感情も出やすくなってきますから、

次に大切になってくることは、その気持ちを受け止めることです。

 

人は自分では抱えきれない気持ちも、

人に受け止めてもらうことで受け止められることもありますし、

その気持に共感してもらうことや、

ねぎらいの言葉を掛けられることで降ろすことができます。

 

また、安全な場でその感情を言葉にすることで、

自分の気持ちに気づき、整理されることや、

その感情を言葉にすることで、

その奥に合った自分の大切な気持ちを感じ、

抱えていた感情を降ろしいてくこともあります。

 

そして、カウンセリングの技法などを用いて、

その抱えている感情を降ろしてもらうことも出来ます。

 

そしてそして、

感情のわだかまりを降ろしていくと、

主訴にも取り組みやすくなるのです。

 

相手を許したいけれど、怒りがおさまらない。

前を向きたいけれど、悲しくてその一歩がでないなど、

悩んでいる状態というのは、感情のわだかまりを抱えているケースが多くありますからね。

まとめ

さてまとめると、カウンセリングの際に大切なことは、

その場がストレスから一歩離れて、

落ち着いたり、安心な場であること。

 

これまでにたまった感情を降ろせるように、

援助をすること。

 

そして、主訴と平行して、

相手が人として幅が広がるような関わりも同時に行っていくこと。

そんな3つの関わり方が出来れば、

主訴の解決はおまけのようなものです。

 

安心できる場があり、

気持ちを正直に伝え、

降ろせる場がある。

 

そして、少しずつ自分のこれまでの幅を広げていく。

 

そんな時間が持てれば、

それだけで随分心持ちは楽になるのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。