不毛感を抱える方の話を聞く時に気をつけること。

報われない気持ちは、不毛と呼ばれます。

この不毛は、複雑な気持ちから出来上がっています。

 

怒りと悲しみが入り混じっているのです。

 

頑張っても頑張っても報われない時は、人生にどうしてもあります。

そんな時僕たちは、「なんでわかってくれないの!?」と怒りを感じます。

 

それは、こんなにやっているんだから報われて当然だし、

認められて当然だ。

これくらいやったんだから「ありがとう。」といわれるだろう。

「よくやったね!」と言ってくれるだろう。

 

そんな「期待」がありますが、

それがことごとく裏切られてしまい、

なんだよ!という怒りに変わるのです。

 

そして、この怒りともう一つ出てくる気持ちが諦める気持です。

 

期待していたのに…。

それが叶わないことが続くと、

期待しても無駄だと感じて、

諦める気持ちが出てきます。

 

「やっぱりわかってくれないんだ。」

「やっぱりどんなにいってもダメなんだ。」

という気持ちです。

 

人はこういう時、悲しくなります。

いくら言っても何をしてもダメなんだ

と判断した時、人は分かってもらうという努力をやめて、

それが報われない悲しみに、

期待という願いが叶わない悲しみにシフトするのです。

 

ただ、諦める気持ちが出ては来ますが、

これは正確に言うと諦めようとする気持ちです。

だから、やっぱり心の底では諦めきれていません。

 

だから、心の中で期待する気持ちがあります。

 

その為、やっぱりわかって欲しい気持がでてきて、

怒りとなり、

それがかなわくて悲しくなり、

そんな気持ちが入れ替わり表れてきます。

 

でも、それでも、不毛と分かっていても続けているのは、

心のどこかで満たされている気持があるからです。

 

「そんなこといったってしょうがないじゃない。条件はいいしさこの会社。」

「そうはいってもさ、認められている部分はあるじゃないか。ね?」

「ま~ま~。そこまで言わなくても、自分が実現したいことはある程度できたでしょ。」

といったように、心のどこかで満たされている気持ちがあって、

それが僕たちの気持ちを引き留めます。

不毛感には、ねぎらいを。

では、どのようにお話を聞いていったらいいのでしょう?

それは、不毛感を感じていても頑張っている目の前の方をねぎらう

というコミュニケーションが役に立ちます。

 

繰り返し期待して、

今度こそと思ってはダメになり、

その度に悲しくなる…。

 

そんなことを繰り返しているのです。

 

その背景を思い、その不毛と感じながらもそこで働いている、

そこでたえている目の前の方をいたわってあげて下さい。

 

どのような言葉がいいのかは、その人によって違うでしょう。

だからあなたの言葉で、その労をいたわりましょう。

 

もちろん、そんな不毛感を感じている自分に対して自らねぎらえれば、

それが一番理想です。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。