人の気持ちを前におしすすめるもの。

それは、なんでしょう?

 

僕たちは、誰かかが苦しんでいる時、

悩んでいる時、

力になりたい。力になれたら…。

その痛みを少しでもかわってあげられたら…。

 

と、そう思います。

 

でも、なかなかそうはいきません。

僕は、以前引きこもっていた時に、

「野川さん、助けてよ!頭がおかしくなりそうだよ!」という心の叫びを聞きました。

 

そして、カウンセリングをするようになって、

「今日、野川さんに相談してダメだったら死のうと思います…」という悲痛や、

「私の周りの人がどんどん亡くなっていく、自分だけ取りこされていく…。」

という悲嘆にふれてる度に、

自分の無力さを痛感します。

 

そして、そのたびに何とかしてあげたいけど、できないという気持ちも同時に体験してきました。

 

でも、やっぱり誰かが痛がっているのを見て放っておけないじゃないですか。

目の前で、痛い!って言っている人を無視し通り過ぎるなんてできないじゃないですか。

 

そして、そんな痛がっていた姿を見ていたら、

その後どうなったんだろうって、気になるじゃないですか。

 

でも、僕たちは、こと心の事に関しては、

そういう肝心な時になんと言ったらいいかわらない…。

 

なんて無力なんだろうと感じたことはありませんか。

その無力さが僕をおしすすめ、カウンセラーにしてくれました。

 

その無力さのおかげで、少しずつですが、目の前の人になんて言葉を掛けたらいいのか。

そんなことが何となくわかってきました。

話を聞く事はできる。でも、なんて言ったらいいかわからない。

そう感じる瞬間は、とっても多いと思います。

話をある程度きける。

でも、その先に、肝心な言葉が出てこない…。

 

それは、どうしてなんでしょう。

一生懸命に聴いてるのに、言葉がでてこない。

その理由の一つは、単純に言葉のバリエーションをしらない。

という事があります。

 

どう言葉を掛けていいのかわからないのは、

そのボキャブラリーがないからです。

ついついそういう苦しんでいる時に、

「がんばって」としか言えないのには、

そういう時に、自分の中に「頑張れ」という言葉の選択肢しかないからです。

 

言葉がけの選択肢は、沢山あります。

でも、自分だけで考えていてもその幅は中々ひろがりません。

だから、誰か人の言葉がけを学ぶということもたいせつです。

(もちろん、その言葉を気持ちをきちんと込めて伝えないと意味はありません。)

 

何て言ったらいいかわからないのは、なんて声を掛けてもらいたいかがわからないから。

 

そしてもう一つは、

自分が苦しい時や、悩んでいる時に、

なんて本当は声を掛けて欲しいか、

労わって欲しいかをわかっていないから。

だから相手にも声を掛けられない。

そんなことが起きてきます。

 

自分が苦しんでいる時、悩んでいる時、頑張った時、

悲しかった時、寂しかった時、絶望した時、立ち上がろうとした時、

そんな時に、あなた自身に言って欲しい言葉。

それを知っていることが大切なのです。

 

自分がどう声を掛けてほしいかをしらないで、

相手の苦労や痛みに声を掛けることって、

ちょっと難しいんです。

 

そして、自分をいたわることができると、

相手をいたわることができるのです。

 

自分をいたわることができないと、

なんで相手だけ!という気持ちがでてきちゃって、

なかなか労わることができなくなっちゃうんです。

 

だから、なんて声を掛けたらいいかわからない時は、

言葉のバリエーションを学ぶことと、

自分をいたわることが、とっても大切なのです。

 

より詳しく学びたい方は「どう声を掛けていいかわからない時の6つの対処法」をお読みくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。