言葉がけの言葉の作り方。
講義をしていると、よく「言葉をどう掛けたらいいかわからない。」
なんて言葉も耳にします。
このシリーズでは、そんな方の為に言葉の作り方を一緒に学び、
考えていきます。
今回は、よく聞く「社会貢献」です。
では、参りましょう。
「社会貢献」という言葉ってよく聞きますよね。
講義をしていても、「社会」はつかなくても、
「貢献」したいという大切な思いをお持ちの方や、
誰かの為に役立ちたいという思いの方は、結構多いものです。
そんな時に、僕たちは「貢献したい気持ち」って大切ですよね。
とか、「人の役に立つこと」って大切ですよね。
という言葉を掛けがちですが、
ちょっと視点を変えて違った言葉がけができるとより幅が広がるなって、
そう思って今日は僕が学んできた視点をお伝えしようと思います。
社会貢献ということは、「貢献」という価値観を大切にしているという事です。
そして、そこに社会がつくということは、この世界をより良くしたいという意味でもあります。
ここで、「自分が貢献したい。」という自分の為にフォーカスしてしまうと、
言葉がけはあまり上手くいきません。
言葉がけの際のポイントは、相手の言動や行動を自分の為ではなく、
「人の為」として”肯定的に”捉えることですから、
ここでも肯定的に捉えていきます。
さて、脱線しましたので本筋に戻しますと…。
社会貢献とは、自分も含めて住んでいる世界をより良くしたり、
そこに住んでいる方々を豊かにしたい!ということですね。
そして、この場合にミスコンの世界のように、
「世界平和」ということを掲げる方はあまりいなく、
自分の身近な世界という方がほとんどです。
ということは、自分が関わることによって、
自分の住む地域や、周りの方を豊かにしたいという気持ちがあるわけです。
そして、ここでそれをストレートに伝えてもいいですが、
ちょっと工夫してみましょう。
周りの方を豊かにしたい。
というと、貢献の形は人それぞれの為外れる可能性があります。
そこで、ちょっと変えてみましょう。
ここで、連想ゲームです。
貢献と聞くと、何を連想するでしょうか?
例えば…、
貢献=役に立つ、より良くする。力になる。支えになる。豊かにする。
が浮かんできますよね。
支えになる、力になる。豊かにするよりも、
役に経つ、より良くするといった方が万人に受け入れられそうですよね。
ここでは、この2つを採用して、さっきの文章を元に2つ例文を作ってみましょう。
「自分の住む地域や、周りの方に役立ちたいという気持ちがあるのですね。」
「自分の住む地域や、周りの方の生活をより良くしたい気持ちがあるのですね。」
どちらもよさそうですが、「自分の住む地域や、周りの方」というと、
受け手側からすると「自分」という言葉が入っているので、自分の周りと限定されることや、
自分という言葉がからエゴを連想する方もいるかもしれないので、
ちょっと言葉の抽象度を上げてみましょう。
「自分の住む地域」=地域、身近な地域、周りの環境
「周りの方」=人、身近な人、周りの環境
このように抽象度を上げると、受け手側としては
その単語から連想できる自由度が広がりますから、
より受け取りやすくなります。
ということで、先ほどの文章をこれをもとに変えてみましょう。
「身近な地域や、人に役立ちたい気持ちがあるのですね。」
「身近な地域や、人の生活をより良くしたい気持ちがあるのですね。」
「身近な人や、周りの環境をより良くしたい気持ちがあるのですね。」
さて、どうでしょう?
ちょっと抽象的になりましたが、最初の「自分の住む地域や、周りの方を豊かにしたいという気持ちがあるのですね。」より、かなり相手に伝わりやすい文章になったんじゃないでしょうか。
ここまででも十分にいいのですが、もう一つだけスパイスを加えてみましょう。
それは、「気持ちがあるのですね。」という部分です。
この言葉は、あなたの中にそういう気持ちがあるんですね。
と伝えることで、相手の中にはそういう部分あるんですね。
と暗に伝えることですが、今回のケースは気持ちを部分化してしまうよりは、
大切な気持ちを「持っている=(あなたの長所である。)」といったような表現にした方がよさそうです。
そこで、
この「気持ちがあるのですね。」を
「大切にしている(したい)。」「持っているんですね。」
に変えてみましょう。
すると、こんな形になります。
「あなたは、身近な地域や、人の生活をより良くすることを大切にしたいのですね。」
「あなたは、身近な地域や、人の生活をより良くしたい気持ちをお持ちなんですね。」
「あなたが大切にしていることは、身近地域や人の生活をより良くすることなんですね。」
「身近な人や、周りの環境をより良くしたい気持ちを持っているんですね。」
「あなたが大事にしているのは、身近な人や周りの環境をより良くすることなんですね。」
いかがでしょうか?
「気持ちがあるんですね。」より、
かなり伝わりやすくなったんじゃないでしょうか。
このように、ちょっと工夫するだけで伝わる印象は変わるのです。
そして、相手から受けた言葉を元に、
ちょっとイメージを膨らませていくと、
「社会貢献」という言葉をちょっと違った視点でとらえられるようになります。
ポイントは、連想ゲームのように別の言葉に置き換えてみること。
そして、言葉の抽象度を上げたり下げたりすることです。
社会貢献=人の役に立つ。
人=自分・相手・身近な人
役に立つ=より良くする。
より良くする=何を?
周りの人や、環境、生活など。
といったように。
みなさんも、いつも通りの言葉を掛けるのではなくて、
ちょっと違う視点を取り入れてみたいなと思ったら、
チャレンジしてみて下さいね。
