お話を聴くときに、「うまくいっていることを褒める」

というコミュニケーションは有効です。

 

人は褒められるとやっぱりうれしいですし、

その行動をもっとやりたくなるものです。

 

ただ、褒めるにしても何でもかんでも褒めればいいわけではなく、

今まで出来なかったことが出来るようになった時や、

本人がそれに気づいていないことなどを褒めるとより効果的です。

 

人は自分が出来ていることは、よく意識にあがる為、

それを褒めたとしても「自分でもわかっている。」という部分が出てきますから、

普段意識に上がってない部分で出来ている部分をフィードバックすると、

本人としてはよく見てくれているという実感も伴いますし、

普段意識に上がらないで来てない部分も認識出来て、

進んでいる実感を伴うことも多くあります。

 

また、褒める際のもう一つのポイントは、

望ましい行動が出来た時に、そのポイントを褒めるということです。

 

セラピーやカウンセリングの場面では、

出来ないことに意識が向いていることが多く、

例えばコミュニケーションで相手の意図を汲むことが出来ないなどあった場合に、

「今のお話が出来たのは、私の意図を汲み取ることが出来たからですよね。」

「今の発言は私の意図をよく反映していますね。」

といったように、その場でそういう理解する発言が出たときに褒めることがあります。

 

こういったケースですと、悩みを抱えている方は自分が「達成したい課題」を

どれくらいできているのか、その判断基準もわからないことが多いですし、

自分が出来ているという「実感」が乏しい場合がありますから、

褒めるというコミュニケーションで、その方向性で大丈夫ですよ、

きっちりとできていますよということを伝えることで、

その行動(この場合は言動)がもっと出るように励ますことが大切になります。

 

そうすることで、もっと汲み取ろう・理解しようという気持ちが出てきますから、

自分の達成したい課題に取り組む意欲が上がり、望ましい行動をもっととろうと思うようになるのです。

 

皆さんもこの褒めるコミュニケーションを有効につかってみて下さいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。