「保証する。」
コミュニケーションにおいてこれはとても大切です。
ここでいう保証とは、
「権威的な立場から相手の状態を大丈夫ですよ。」と伝えることです。
権威的というのがポイントで、例えば風邪のような症状だけれど、
なんだか違う気がする…。そんな時に家族から「大丈夫風邪だよ。」と言われても、
ちょっと不安に思うことがありますよね。「ほんとかな~…。」って。
でも医者の方や、看護師の友人から「それ風邪ですね。大丈夫。すぐ良くなりますよ。」と言われると、
先生がそう言っているんだからと安心しますよね。
このように自分よりも権威や見識がある方から掛けられる言葉は、
受け手側に安心感をもらすのです。
では、実際にどのようにカウンセリングで用いるのかというと、
カウンセリングにおいては、カウンセラーは先生ですので、
そういった意味では権威があるわけです。
そこをコミュニケーションで用いるのです。
どのように用いるのかというと、
多くのクライアントさんは、カウンセリングを受けること自体が初めてで、
緊張したり、何をするのかもよくわからないし、
話過ぎているのか?など気をもんでいる方が多くいます。
そこで、「カウンセリングが初めてな方が実はほとんどですし、緊張して当然ですから大丈夫ですよ。」
と伝えることが多くあります。
そうすることで、相手は自分の状態に対して肯定的にとらえることが出来ますし、
少しリラックスして取り組むことが出来るのです。
例えば他にも、
「そうやって過度に責めてしまうのは、○○さんが悪いわけじゃなくうつ症状としていつもよりも過度に自責感が湧いてきているんですよ。」
「誰でもそういった状態のときは悲しむものですし、悲しむことが許されているのです。だから○○さんも悲しくていいんですよ。」
「本当に苦しいという時は、自分で自分が分からなくなってしまうものです。だから、今はどうしたいかわからなくても大丈夫ですよ。」
といったように、起きている状態は不安を感じたり、
嫌がったりするような状態ではなく、当然のことであり、
大丈夫ですよと伝える「保証」というコミュニケーションを用いることで、
相手が自分の状態を受入れ、少しずつ顔を上げるお手伝いが出来るのです。