カウンセリングでは、録音を取る事があります。
大体取ることがあるのは、カウンセラー側が多いんですよ。
たまにクライアントさんも録音したいという方がいますので、
その場合は、
「SNSとかYoutubeに上げたり、他人に聞かせたりしないでくださいね。」
「ご自分の振り返りだけであれば可能ですよ。」
ということを伝えて僕は大丈夫ですよと伝えています。
相当自分の個人的なことを話しますから、
まかり間違ってもUPすること等あまり考えられないですしね。
また、カウンセラー側が録音する場合は、
最初の方は「録音の使用用途」を書いた紙を作って、
それをクライアントにサインをもらったりもしていました。
ただ、最近は口頭で使用用途を伝えて許可を得ています。
本当は、書面が良いんですけれど、
カウンセリングの流れが途切れてしまったり、
いきなりその話をしたりすると、
警戒心が上がりすぎてしまったりと、
そういったことを鑑みて、
今は口頭にしています。
このようにご本人の許可が取れれば、
カウンセリングでは録音をしても大丈夫なのです。
それで、
なぜ録音を取るのかというと
目的は、2つあります。
録音の目的は、逐語録の作成の為。
1つ目は、逐語録といって録音した内容をテープ起こしといって、
一言一句ノートやPCなどに書いてカウンセリングを振り返る為です。
カウンセリングが連続していたりすると、
どうしても覚えきれないですし、
自分やクライアントがどんなことを言っていたのか、
どんな対応を自分はしていたのかを
テープを取って客観的に振り返り、
自分のカウンセリングの反省を行って、
より良いカウンセリングを提供する為、
自己研磨の為に行います。
ただ、これ結構時間かかります。(汗)
僕は、PCだと覚えないので、
ノートに手書き派なのですが、
1時間のカウンセリングをすると、
大体逐語録書くだけでも、2時間半~3時間くらいかかるのです。
ですので、結構大変なのです。
でも、やはり振り返るのにはとってもいいです。
・自分が聞き逃したこと。
・自分のまずかった対応。
・相手の反応。
・自分の反応。
などを含めて沢山改善点が見つかりますし、
次のカウンセリングの展開や、
相手に届きそうな言葉を考えたり、
心の痛みの部分を繰り返し聞いて、
援助方針を立てるのに役立つのです。
ケース・スーパービジョンの為。
二つ目は、ケース・スーパービジョンで使います。
これは、カウンセラーが師事するカウンセリングの先生から、
臨床指導を受けることをスーパーバイズと言います。
そして、「ケース(case)」は、事例ですから、
自分のカウンセリング事例を先生に臨床指導してもらうということです。
自分のカウンセリングのケースを先生に相談しますが、
反省点などをまとめて、
それを先生に伝えて、
どのようにすればよかったのかを相談したり、
カウンセリングの技術的指導を受けたするのです。
やはり、自分では気づけないことは沢山ありますし、
自分より経験豊富な方に相談した方が、
アイデアも沢山出てきますし、
様々な視点を頂くことが出来ますよね。
また、事例検討の他に臨床指導では、
技術の指導だけではなく、
カウンセリングを受けたりもするんですよ。
「あ、そうなの?」
と思ったかもしれませんが、
そうなのですよ。
というのも、
相手の反応にイライラしてしまったり、
何だか無力感を感じたりして悲しくなったり、
虚しくなったり、
ついつい焦ってしまったり、
過干渉になってしまったりと、
援助側の心の癖が出てくることがありますから、
そこに対しても取り組んでいくのです。
このように心の面と技術の面の両面を取り組んでいくのです。
あ、一つだけ説明し忘れましたが、
スーパービジョンで録音を用いる場合は、
個人的な振り返りだけではなく、
臨床指導を受ける時に特定の一人の先生か、
もしくはチームメンバーも聞くことがありますという許可も必要です。
病院などでは、チームを組んでグループでスーパービジョンを行うこともありますから、
そういった許可も必要に応じて大切になってきます。
まとめ
さて、今日はカウンセリングでの録音についてお話をさせて頂きました。
録音は、双方の合意が得られれば出来ます。
そして、録音する目的は、
①逐語録の作成などによるカウンセラーの個人的な振り返りの為。
②スーパービジョンで用いる為。
の二つでした。
こうった取り組みを通して、
カウンセラーは日々自分とも向き合いながら、
技術や在り方の向上に努めているんですよ。
ただ、こうやって書くと少し高尚?な感じがするかもしれませんが、
実際の振り返りでは、
自分の出来なさ加減に撃沈していることが多いのです。
あくまで僕のお話ですけれど。汗
さて、ではまた次の記事でお会いしましょう。