傾聴を学びに来てくれる方の中でも、
カール・ロジャースを知っている方はあまりいません。
そして、カール・ロジャースが創設した来談者中心療法を知っている方もあまりいません。
こう考えてみると、
傾聴という言葉だけが形がわからないまま、
独り歩きをしているように思います。
カール・ロジャースが今生きていたらこういう状況を少し憂いていたかもしれません。
というのも、ロジャースは傾聴の技法的側面ばかりが広まって、
独り歩きをするのを憂いていたこともあり、
来談者中心療法を創設したからです。
ただ、「うんうん。」と聞くのも傾聴ではありませんし、
結構誤解が多いように思うのです。
昨日の「あ、そうだ!傾聴講座。」では、
その辺りをお話をさせて頂きながら、
聞くことで何が出来るのかという所をお話をさせて頂きました。
さて、聞くことで僕たちは何が出来るでしょうか?
聞くことで出来ることは沢山ありますが、
そのうちの一つは、
まず相手に安心して話をしてもらうことを通して、
相手が自分の気持ちの整理がつくようにサポートすることが出来ます。
オートクラインという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
人は、自分が話す言葉を聞きながら自分の考えや気持ちを整理することが出来ると言われており、
その話しながら整理をすることをオートクラインと言います。
これにより悩みの20%程度は解決できるものとされています。
20%というと少ないと感じる方もいるでしょうけれど、
5人に一人の人が解決することがあるという数字は、
なかなか高い部分もあるんじゃないかなとも感じます。
さて、なぜこの話を今しているかと言いますと、
相手は語りながら自分の気持ちに気づいたり、
整理しているものですから、
その語りをそもそもしてくれるように、
安心した関係を築いていくことが大切です。
人は安心した関係性の上で、
初めて自分の気持ちを話すことが出来ます。
そして、その出てきた気持ちを最後までしっかりと語れるように、
しっかりと受け止めたり、
共感をしながら聞いていくことが大切なのです。
傾聴を学びたいという方の多くは、
相手の力になりたいという方が多いですが、
相手の力になる為にも、
まずは相手に安心して話してもらう関係を作りながら、
しっかりと相手が最後まで自分の考えや気持ちを語れるように、
丁寧に聞いていくことが、
最初はどのような聞き方よりも大事なのです。
昨日はその所をお話をさせて頂きながら、
どのようにしたら安心して語ってくれるのかということを、
体験学習を通して一緒に学んでいきました。
さてさて、次回は来週日曜日(3/22)開催です。
是非お越しくださいね!