どうしたらいい?と助けを求められたら。

カウンセリングをしていると

必ずと言っていい程に出てくる言葉があります。

 

それはこの言葉です。

 

「どうしたらいい?」

 

です。

 

目の前の苦しんでいる方の話を聞き、

そのような援助(助け/協力)を求められた時、

答えを一緒に考えていく方向性も、

考えてもらう方向性も勿論ありますが、

相手が本当に抑うつ状態が酷かったり、

混乱している状態ではそれらの対応は難しく、

援助側がある程度道を示していくことが必要な時があります。

 

そしてそういった時に、

うまく答えられることが出来ればいいのですが、

なかなかそうはいかない時があります。

 

そういった時、

「どうしたらいい?」と聞かれると、

援助側が無力感を感じてしまうことがあります。

 

「何もできなくてごめんね。何とかしてあげたいんだけど…。」

 

そんな気持ちです。

 

僕は、あるクライアントに接すると、

そのような気持ちが強くなってしまい、

とても困ってしまうことがあります。

 

それを先生に相談した時に、

先生がこんな言葉を掛けてくれたことがありました。

 

「どうしたらいい?」

とクライアントが言う時、

それは最終的なゴールへと向かう為には、

何をすればいいのか?

という所へとフォーカスしていることが多いけれど、

まずは今いるその泥沼から、

まずは手を出そう。

 

泥沼を抜けた先(解決)は分からないけれど、

そこへと行くことよりも、

まずはそこから出ることを考えていこう。

 

そこから陸に手を掛けることを考えていこう。

身動きが取れない状態から、

せめて動けるようになる方法を考えていこう。

 

その為には、

身動きが取れないことが辛いのか、

手は出ているのか?

それともその手は、もう陸につきそうなのか?

動きすぎている(今やっている努力)ことが、

余計に沼にはまっている要因になっているのか?

といった目の前の方の苦しみを理解していこう。

 

だから、

ゴールを見つめるのではなく、

共に今から抜ける一歩に目を向けていきましょう。

 

そんな言葉を掛けてくれました。

 

僕たちは、一気に解決する方向で考えてしまう時があります。

クライアントが語るゴールに対して。

 

でも、そのゴールへ行くよりもまずは、

今のその泥沼から一歩でも抜ける方向性を、

動いて少しでも楽になる方向を考えていこう。

 

まずは、そこから始めてみよう。

 

どうしたらいい?と助けを求められたら、

そこから考えていこう。

 

解決はそのずっとずっと先にあるのだから、

まずは抜け出るお手伝いをしよう。

 

そんな大それたことはしなくていいのだ。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。