カウンセリングで希望が見えないクライアントが来た時に、

良くなっている点をフィードバックしても、

「まぁ、そうなんですけどでも、、、。」

といってこちら側のフィードバックを受け取らない事があります。

僕自身もカウンセリングをしていて、

そういったことがよくあります。

 

特にうつ病の方にそういったフィードバックをした時に、

そういった反応が多いような気がしています。

というのもうつ病は、未来が見えなくなる病だからです。

 

僕はそういった時に、

どう接したらいいのか困っていました。

 

勿論困りながらも、

それでも相手の改善している点等をフィードバックすることは続けていました。

 

でもそれでも、

「効果があるのかな?」とか、

そういったことを悩んでいたのです。

 

そこでスーパーバイズを受けた時に、

その事を相談すると、

こんなことを先生は言ってくれました。

 

「種をまき続けることは大切です。」と。

 

勿論、いつ実るかわからないけれど、

援助側が種をまき続けることは、

やはり大切だと改めて感じたのです。

というのも援助側がまき続けるのを止めたら、

それこそ希望がなくなってしまうからです。

 

だからこそ、

「結果は残念だけど、取り組めただけ凄いじゃないですか。」

と種をまいたり、

こんなことやあんなこと、

そして前と比べてこんなことも出来るようになってきた。

といったようにポジティブリストをいっぺんに伝えたり、

良くなっているとは言えないけれど、

いい方向へ向かっていると、

自分は確かにその方向へと向かっているのだと、

そうわかるようなフィードバックを続けていくことは、

やはり大切なのだと思います。

 

そして、援助側がクライアントのそういった

相手の良い方向へ向かっているサインや、

改善してきたポイントを見れなくなったり、

それを伝えるのを止めた時、

きっと援助は問題や悪いところを改善していく

原因論的な援助になってしまって、

上手くいかなくなるのだろうと思います。

 

クライアントが希望を持てなくても、

せめて援助側が希望を見つめられるような

そんな関わり方を身に付けたいと切に願うのでした。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。