自分が聞きたい事でなく、相手が話したいことを聞く。

話を聞く時に大切なことは、

クライアントが話したい話を聞くことです。

 

ですから、最初は「どういったご相談ですか?」といったように、

相手に相談内容を語ってもらうことから始めていくわけです。

 

そして語られた内容を受け止め、

共感的理解を示していくわけですが、

カウンセリングは聞ける時間が限られています。

 

ですから、出来るだけ凝縮して聞いていくことが大切です。

 

ではどのように凝縮して聞いていくのか?ということを

先日受けたスーパーバイズでの学びを交えシェアをさせて頂きますね。

 

クライアントが話をする時は、

クライアントは必ずしも言いたいことを上手に言えているわけではありません。

 

どういうことかというと、

悩んでいると混乱していたり、

思考がぐるぐるしていて、

本筋の所から話がズレてあっちこっちいったり、

自分の気持ちを上手く表現できなかったり、

こういったことがある為、

必ずしも上手に自分の言いたいことを

言葉に出来ていないことがあるということなのです。

 

ですから、聞き手側が積極的に相手の意図を汲み、

コミュニケーションを取っていくことも大切になるのです。

 

例えば、

「色々と混乱なさっているようですが、今○○といった状況ということでしょうか?」

と確認をしながら整理のお手伝いをしたり、

「○○の時、本当は△△と言いたかったのではないでしょうか。」

と相手の意図を汲んで気持ちを言葉にするの援助したり、

「仕事の話よりも、プライベートの友人Aさんとの関係が気になっているように見えますが…。」

といったように非言語に焦点を当て、

気持ちが強く出ている部分を語れるように援助をしたり、

「仕事が出来ない状態もお辛いでしょうが、

それでご家族に迷惑をかけているように感じていることが

さらにお辛いのではないでしょうか。」

とご本人がとても辛いと感じていることを語れるように援助をしたり、

こういったように、積極的に聞き手側が聞いていき、

相手が上手に話せていない部分を受け止め、

積極的に伝え返して聞いていくことも大切ですと、

そういったことを先日教わったのです。

 

これは、ごもっともですよね。

 

相談の場面では、クライアントは精神的な苦しみが増えていますし、

混乱していたり、心のエネルギーが減っていますから、

なかなか上手に語れないことがありますからね。

 

ですから、聞き手側が積極的に聞いて、

上手に語れるように援助をすることで、

クライアントが語りたい内容をよりスムーズに語れるように関わっていく。

 

そして語られた内容を受け止めて、労っていく。

 

それにより聞く時間も短く(凝縮)なり、

クライアントが語りたいことが語れた後に、

援助側が改善へと向けて必要なことを聞いていく段階へとシフトが出来ます。

 

ただ、ここの段階はクライアントが質問に答えていくのには、

ある程度力がいりますから、

最初の段階で積極的に聞きつつ、

相手を労っていったり、

肯定的な面をフィードバックしていったりと、

心理的なケアをしていくことが大切です。

 

ここがしっかりと出来ていないことがあると、

なかなか解決の為の共同作業にシフトが出来ないということがあるのです。

と、偉そうに書いていますが、

シフトできずに困ったことが何度もありますし、

僕は割と最初は相手に語ってもらって受け止めていく方ですが、

そこで積極的に聞いていくことはあまりせず、

ねぎらい、共感などに重点を置き、

一通り語ってもらうということを重視していましたから、

本筋に入っていくのに時間が掛かっていたことが多かったのです。

 

あなたも、もし聞く時間を凝縮させて、

相手を援助していきたいなと感じたら、

今日お話をさせて頂いた点を意識してみてくださいね。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。