今日は、傾聴基礎コース19期のスタート日でした。
気づけばこの講座も19期になり、結構な回数を重ねてきたのだなと、
そんなことを感じながら、今日の講座をスタートしました。
今回は二人と少人数でスタートしましたが、
お二人とも熱心に学ばれていて、
講師側としてはとてもありがたいです。
今回は二人ということもあり、
実際に聞く練習をする時間がながくとれるので、
たっぷりとお二人で練習していただく時間をとりました。
僕たちは、聞くということをこれまで学んだことがあまりありませんから、
どのように聞いていけばいいのかを実は知りません。
そしてこの「知らない」から「できない」ということが、
聞くことに関しては案外沢山あるのです。
そしてそして、
知らないから出来ないだけですので、
知ることが出来れば、
練習を重ねることで「出来る」ようになるのです。
今回、練習して頂いたのは相手に合わせるペーシングと、
質問をしながらケアをしていくトレーニングを行いました。
僕たちはついつい自分のペースで聞いてしまいますから、
相手のペースに合わせて話を聞いてくということは、
案外に大切なのです。
受講生の方も自分のペースで聞くことに慣れていて、
相手の間に合わせたり、相手の声の感じに合わせたり、
呼吸を合わせて聞いていくことに困難を感じていましたが、
練習を重ねていく度に、自分のタイミングで聞かなくなり、
相手に合わせたコミュニケーションが徐々に出来るようになっていきました。
ちょっとのコツを覚えるだけで、
聞く力は身についていきます。
ただ、練習をしていても、
やはり自分の聞き方に戻ってしまうときはありますから、
第三者(プロが望ましい)のフィードバックを受けつつ練習をしていくことが大切です。
今回は、ペーシングの練習をしながら、
「今の相槌はとても相手と合っていました。そしてAさんはゆっくり話されて、ゆっくりとうなづかれることも多いので、切れのいい相槌は大切だけでなく、緩やかな相槌も取っていきましょう。」
「うなづくタイミングはとてもいいので、今度はそのうなづきをもうちょっとだけ増やしていきましょう。Bさんはよくうなづく方なので、うなづきが増えていくと、より聞いて貰えている感じが出てくると思いますよ。」
といったようなフィードバックをして、より相手に寄り添えるように聞く練習をしていただきました。
また、後半は相手に心理的な負担を極力かけずに話を聞いていく、
「質問」したら「ケア」をしていくという練習をしました。
この「ケア」には、共感やねぎらい・受容などが入ります。
僕たちは結構相手に質問をしたらしっぱなしになることがありますし、
質問それ自体が相手に心理的な負担をかけていることに気づいていません。
ですから不用意に質問だけを繰り返してしまうことが多く、
答えてくれたことに対して特に受け止めたり、
お礼を言ったりしないことが多いのです。
その為、今回は質問をしたら「ケア」をセットにしていきましょうということで、
それが出来るような簡単なトレーニングを何度かやっていきました。
すると結構皆さん質問ばかりになってしまったり、
次に何聞こうかと考えるあまり、
「ケア」がおろそかにおろそかになったり…。
そんなような場面が見受けられました。
僕たちは悩みを聞く時に、
その原因を知りたくなったり、
その理由を知りたいがあまり、
自分が聞きたいことを聞いたり、
聞いた結果として、
望む情報が出てこないと、
質問ばかりを繰り返してしまったり、
次に聞くことに集中するあまり相手の話が聞けなくなっていたりと、
色々なことが話を聞いている時に起こるのです。
今日はその片鱗を受講生の方々に体験して頂き、
一つ一つの相談者の回答にとどまって頂き、
「ケア」の言葉をかけて「質問」を考えてもらいました。
こういった練習を通して、
質問をしてケアをするとはどういうことなのかを
体験学習してもらいました。
皆さん難しいと仰っていましたが、
何度か繰り返していくうちに、
不用意な質問はしなくなりましたし、
相手をケアする言葉も増えていました。
やっぱりやった分だけ身になるものだなと、
そんな姿を見て感じたのでした。
さて、傾聴基礎コースの次回は11月スタートです。
一緒に聞く力を是非身につけていきましょうね。