色々なことを伝えて相手に行動を変えてもらおうとしても、
なかなか上手くいかないことが多くあります。
相手は相手のタイミングでしか変わりませんから、
当然といえば当然ではありますが、
伝え方の工夫次第でもう少し自分の気持を上手く伝えて、
相手が行動を変えてくれる可能性が上がるように工夫することは出来ます。
そこで今日は、自分の気持を上手に伝えて、
出来るだけ相手が行動を変えてくれるように働きかける為の3つのポイントをお伝えします。
YOU MESSAGEではなく、I MESSAGE。
その一つ目がアイメッセージです。
アイメッセージとは、
アサーションという上手に自分の意見などを表現するコミュニケーション技法の中の一つです。
コミュニケーションでは伝えるメッセージを次の二つのレベルに分けています。
それは、you message と I messageの二つです。
この二つを僕たちは知らず知らずに使っているのです。
you messageとは、「あなたって○○だよね。」
といったように「you(あなた)」を主語にする言葉です。
このyou messageを僕たちは多く使っていますが、
このyou messageは、相手にとっては受け取りづらく、
反感をかう場合も多いのです。
例えば、
「あなたって愛想がないね。」
とyouを主語にして言われるとムカっときますよね。
youを主語にすると評価や決めつけになりがちで、
相手の人格そのものを否定してしまったりしがちで、
先に書いた相手の領域に侵入してしまうことになるのです。
コミュニケーションにおいて大切なことは、
相手も自分も尊重することですから、
you messageではそれがなかなか表現できにくいのです。
勿論「あなたは素晴らしい!」という言葉や、
肯定的な表現であれば問題ないですが、
それ以外の場合はあまりうまくいかないことが多いのです。
ですから、コミュニケーションにおいては、
youを主語にするのではなく、
「I(私)」を主語にすることが大切なのです。
なぜなら「I(私)」を主語にすると、
あくまで私はこう感じた、こう思ったという事になりますよね。
これは、あくまで自分の主観として感じたことであり、
そう”私”は感じたよ とボールを相手にただ投げることを意味します。
ただ投げるだけですから、相手がそのボールを受け取るかどうかも
相手次第になりますから、相手にとっても自由度が高いのです。
また、アイメッセージは、決めつけではなく感想にも似ています。
「そっか。あなたはそう感じたんだね。そう思ったんだね。」
といったように、ニュートラルに相手も受け取ることが出来るのです。
では、実際にどのように使うのかを例を挙げて見ていきましょう。
「あなたそういうことのやめなさいよ。」(you message)
→「私は、そういうことよくないと思うよ。」
といったように、「あなた」を主語にしたメッセージを主語を「私」にするのです。
また、語尾に関しては、
「~と感じました。」
「~と思いました。」
「~のように見えました。」
「~のように感じました。」
「~のように思いました。」
「~のように聞こえました。」
といったような言葉で結んでいただくと、
聞こえも柔らかくなりますから、
是非試してみて下さいね。
私の「事情」を伝える。
さて、I messageの次に大切なことは私の「事情」だけを伝えることです。
「私はあなたにメールを早く返してほしいと思っているんだ。」
とI messageで伝えたとしても、
伝えられた側からすると、
その言葉の裏にあるあなたの事情が見えてきません。
だから「早く返せって言われてもさ…。俺だって忙しいんだよ。」
ってなってしまうかもしれません。
ただここでもしその裏にある個別の事情が分かったとしたら、
それは伝えられた方は受け取る印象がだいぶ変わってくるのです。
例えば早くメールの返信が欲しい事情がこのようなものがあったとしましょう。
・心配性である。
・他の人は返信が遅れても大丈夫だが、好きな人だと遅れると何かあったのではないか?と心配になる。
といったものです。
こういった場合は、その”個別の事情”をI messageで次のように伝えます。
といったように相手に変えて欲しい行動を直接言うのではなく、
その行動を変えて欲しいのは、私の個人的な事情であることを伝えることが大切です。
そうすることで、あくまで私の個人的な事情でそう感じるのだと
相手に暗に伝えることが出来るのです。
すると相手からの抵抗もすくなくなるものですし、
相手の領域に侵入せずに、自分のが感じたことや自分の事情という、
自分の範囲内でコミュニケーションを取る事によって、
相手の領域も大切にできるのです。
ただ、I messageで個別の事情を伝えたとしても、
「ふ~ん。そうなんだ。」で終わってしまう事があります。
そこで大切になってくることが次の最後のポイントです。
命令やアドバイスではなく、「依頼」する。
最後のポイントでは何が大切なのでしょう。
それは、事情を伝えた後に、「依頼」をすることです。
例えば、先ほどのメールの例でいうと、
アイメッセージで事情を伝えた後に、
「だからできる時は早めに返信してくれないかな?」
と依頼をします。
早めに返信してよと伝えても角が立ちますし、
早めに返信して欲しいなってというのも、
ちょっと遠回りな感じがありますし、
早めに返信してねと伝えても、
相手の行動を強制するニュアンスがありますから、
それもあまりいいとは言えません。
その為、「依頼」という表現の形が一番ニュートラルな表現になるのです。
「~してくれないかな?」
「~してくれたら嬉しいな。」
「~して欲しいな。」
といったように依頼の形で表現してみて下さいね。
まとめ
さて、ちょっとまとめましょう。
人は変えることができない。
だからこそ、その人そのものを変えようとするのではなく、
あなたにとって改善して欲しい行動を変えてもらう。
その時の表現の形態は、
「I MESSAGE」+「個人的な事情」+「依頼」
です。
上手に伝えるには、
この三つのポイントが大切なのです。
勿論、この三つを意識しても上手くいかないこともあります。
というのも相手が行動を変えるかの選択権は、
相手しか持ってないからです。
ただ、だからといって諦めるのかというそれは違います。
一番伝わりやすいように、
自分の中で最善を尽くして
コミュニケーションを取ることはとても大切です。
僕たちは、
言う前から諦めていたり、
我慢したり、
言ったとしても怒りや不満として出て、
結局伝わらなかったりということが間々ありますし、
コミュニケーションとしての伝える技術を磨いてない方も多くいま
こういった結果伝わらないということは、
まだ改善の余地があるということです。
つまり、まだ分かってもらったり、
工夫できるところはあるのです。
最善を尽くした時、
僕たちは、本当の意味で諦めがつきます。
最善を尽くそうとした時、
僕たちは、自分の中に相手次第ではなくて、