以前、カウンセラー養成講座の講師をしていた時のことです。
「話って途中で止めてもいいんですか?」
と聞かれたことがあります。
結論から言うと、よっぽどのことじゃない限り問題ありませんし、
むしろ止めたほうがいいこともあるのです。
(あ、ちなみにこれは悩み相談の場面を想定しています。)
流れを切りたくないから止めちゃダメだ!と思う。
「話を止めちゃいけないのかな?」
と僕たちが思う時というのは、こんなに話してくれているんだから、
途中で止めるのはなんだか悪い気がする…。
話を途中で止めてしまったら、流れを切ってしまう気がする。
と思うからです。
確かに、気持が盛り下がってしまったり、
流れが切れてしまうこともあります。
ただ、悩み相談の場面ではずっとただ聞いているという事が、
必ずしも良いことではない場合が多くあります。
それはなぜかというと、流れを止めてずにお話を聴いてると、
せっかくのお金を払ってもらって相談に来てくれたのに、
話を聴くだけで終わってしまうからです。
もちろん、ただただ話を聴いてもらいたい人もいますが、
多くの場合は、明確なテーマを持っていて、
それを乗り越えたい!という気持ちを抱えてお越しになるのです。
その時に、ずっとただ話を聴いて終わってしまったとなったら、
その乗り越えたい!気持ちに応えてないことにもなりますし、
ただ時間だけが過ぎてしまった…。
なんてことにもなってしまいまうのです。
ニーズを把握しよう。
そうならない為にも、まずは相手のニーズを把握すること。
これが大切になりますが、話が止まらなかった場合でも、
このニーズは把握することが大切です。
「あ、あのちょっといいですか?」
と言葉でいったり、
無言で手を挙げてみたりして、
会話をいったん中断して、
例えば、
「このままお話を聴いていることがお手伝いになりますか?」
「それとも、何か明確に取り組みたいテーマがありますか?」
「一旦整理させて下さい。」
「結局、一番何で困っているのですか?」
といったように、確認をすることが大切な時があります。
相談に来る。
ということは、何かを解決して欲しかったり、
気持ちを整理したかったり、
受け止めて欲しかったり、
アドバイスが欲しかったり、
誰かに話したかったりと、
ニーズは色々なのです。
そのニーズを確認せずに、
相手が話すままにじっと止めずに聞いていたら、
結局お互いにこの時間は何のための時間だったんだろう?
なんてことになってしまいますから、
ニーズに沿って相手が本当に望む方向へ進む為にも、
会話を止めて、確認をすることがとっても大切なのです。
また、一度止めたお話に関しても、
「もう一度教えて頂けますか?」
と丁寧に聴けば、たいていの場合教えてくれますから大丈夫なのです。
