人が話をするのは、多くの場合自分の気持ちを何とかしたいからです。
人に話をしたいのも、ある出来事を通して感情が動いたからです。
感情が動いたからこそ、あなたや家族に対してこんな出来事があったんだよ。
それでね、こう感じたんだよって自分の気持ちを受け止めてもらい、共有したいのです。
このように人が話をするのは、自分の感情を受け止めてもらったり、共有したい場合が多いのです。
また、悩んでいる場合はその感情を自分では処理できずに、整理したり、わだかまりを話すことで解消したいのです。
その時に役に立つのが今回ご説明する傾聴テクニックの一つである感情反射です。
感情反射とは、相手が言葉にした感情を伝え返すことです。
もしあなたがこれができるようになると、相手が気持ちの共有ができていたり、
出来事じゃなくて、気持ちをわかってくれている
なんて思ってくれたりすることがありますし、
感情を伝え返されることで自分の感情を吟味できたりもするのです。
今日はこの感情反射についてご説明をしていきます。
感情反射とはどんなもの?
感情反射とは、先にご説明した通り相手の気持ちを自分が鏡になったように反射すること、つまり伝え返すことです。
オウム返しの感情バージョンといえばわかりやすいかなと思います。
単語や語尾を繰り返すのではなく、相手の気持ちを伝え返す。
それが、感情反射です。
ちょっと具体例を挙げていきましょう。
A「昨日は、仕事がうまくいってさ、いい気分なんだよね!」
B「いい気分!なんだね!」
ここでは「いい気分」という気持ちを伝え返したわけです。
そして、もう一つ例を挙げましょう。
A「昨日彼女に振られて、悲しい・・・。」
B「そっか、悲しいね・・・。」
というように、「悲しい」気持ちを伝え返す。
人には、喜怒哀楽がありますから、その気持ちを鏡のように伝え返すだけです。
シンプルですよね。
感情反射の効果
では、どんな効果があるのかを見ていきましょう~!
・相手が自分の気持ちをわかってくれていると思ってくれる。
・相手の口から自分の気持ちを聞くことで気づきにつながることがある。
・自分の気持ちを伝え返されることで、気持ちの吟味ができることがある。
(そうそう、悲しかったんだよね本当に、、、。といったように。)
以上のように感情反射には、このような効果があります。
ポイントは、ただ相手の気持ちを伝え返すだけであって、
憶測を入れたりとかはしないということが大切です。
きっとこうじゃないのかな?ということを伝え返すと、相手を傷つけることがありますからね。
あと、最初のうちはあんまりネガティブな気持ちを伝え返すと、
かえって落ち込ませてしまうことがありますから、気を付けてくださいね。
伝え返すのは、相手が自らの内面と対話ができるようになのですから。
また、この感情反射のテクニックと明確化というテクニックを
両方用いることができるようになると、より幅が広がりますし、
相手が言葉にした感情とまだ言葉にしていない感情をよりはっきりとするように、
相手の気持ちを汲むというコミュニケーションもできるようになりますから、
この二つが揃うと話し手からすれば、
よく聞いてもらえたと更に感じてくれる機会も増え、
自分の感情をより吟味する瞬間も増えていきます。
すると結果的に内部対話も進み、自分自身といる時間や、
自分の感情の更に奥にある気持ちに触れる機会も増えるのです。
その為、是非感情反射だけではなく、明確化のスキルも是非同時に身につけてくださいね。
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