カウンセリング 見立てと課題

カウンセリングでは、「見立て」というものがあります。

これはカウンセリングの改善方針を作成することです。

つまり、どのような方針でカウンセリングを進めていくのか

という全体像を立案することが「見立て」です。

 

この見立ての中には、

クライアントの課題やテーマ、

家族歴、

長所・頑張っている所等のリソース、

テーマと関連している過去の出来事や、

人間関係(友人やパートナー、同僚、上司等)、

目標、

苦しみ、

など様々なものが含まれます。

 

こういった情報を総合した上で、

第一ステップ何をしていくのかを、

クライアント共に決めていくのです。

 

つまり何に困っていて、

どのようにそれに対して改善へと進めていくのか、

ということを決めていく為にする作業が「見立て」なのです。

 

ですから、この「見立て」たものを下に、

クライアントに対して介入を行っていくことになります。

 

「介入」というと、

割って入るようなイメージがあるかもしれませんが、

ここでの「介入」は、

そこまで仰々しいものではなく、

見立てたものを下にセラピーをしていったり、

コミュニケーションを組み立てて、

相手が苦しいと感じていそうなところを労わったり、

視界が広がるように質問をしたりと、

そういったことも含まれます。

 

実は、自然と僕たちも日常でこの「見立て」と「介入」をしています。

 

例えば、この人は怒りっぽいなと思って(見立てて)、

あんまり刺激するような言葉は使わないようにして、

誤解がないようなコミュニケーションを心がけてする(介入)

ことってありますよね。

 

他にもこのようにこういうタイプの方には、

こういう接し方が良いだろうと考えて、

自分なりにコミュニケーションをしているものですよね。

 

そう、これも「見立て」と「介入」なのです。

 

また、こういった日常以外でも、

どのお仕事でもやられていることです。

 

それこそ医療の世界でもそうですし、

営業の世界でも、

このお客さんにはこういうものが好きだから、

こういったものをこのタイミングで提供すると…。

といったことをやっていますし、

IT業界でもトラブルがあった時などは、

問題を見立てて、

どこに不具合が出ているのか、

そしてどうしたらいいのかということを考えますし、

それは医療の現場、営業の現場、IT業界に限らず、

どの仕事でもやられています。

 

そして、どの仕事も共通して見立てる時には、

それぞれの専門知識と経験を必要とするということです。

 

医療は、医学的知識と臨床経験が必要ですし、

仕事では、各専門分野の知識と現場経験が必要なのです。

 

ですから本当に当たり前ですが、

心理カウンセリングをする時は、

心理学の知識と臨床心理学の知識を用いて、

相手のテーマを見立てていくのです。

 

ただ、見立てだけだと、

机上の空論になりますから、

実際に介入(コミュニケーション)をしていくのです。

 

そしてその介入によって、

相手からの反応が返ってきますから、

それをもとにまた見立てを修正して、

再度介入していくという流れが、

カウンセリングでは行われているのです。

 

ですから、

カウンセリングをしていく上では、

聞いていくことにプラスして、

何が相手を苦しめているのか?

どのように苦しいのだろうか?

といったことを見立てて、

少しでも楽になる為に介入を

一緒にクライアントと考えていくのです。

 

カウンセリングというと、

ただ聞いているだけというイメージがあるかもしれませんが、

実は頭の中ではこういったこと(見立て)もやっているのです。

 

”聞く”ということを通して、

”援助”をしていく為に出来ることは、

ねぎらいや共感・受容以外にも沢山あるのです。

 

その出来ることを、

どのように感じて、

どのように考えて、

見つけていくのかヒントを与えてくれるものが、

見立てです。

 

でも、心理カウンセリングの世界では、

依って立つ理論によって、

何をどう見立てるかが違ってきます。

 

認知行動療法の理論ですと、

行動もしくは、認知の歪みが問題を生んでいると考えます。

 

家族療法ですと、

例えば夫婦連合が築かれていないからとか、

世代間境界(親と子の距離が近すぎる等)が築かれていないといったように捉えることがあります。

 

ゲシュタルト療法ですと、

今起きている問題は、

過去の未完了の経験だと捉えます。

 

対人関係療法ですと、

役割期待のずれや、

役割の変更などと捉えて、

コミュニケーションレベルで問題を調整してくこともしていきます。

※上記に挙げた例すべては、あくまで各療法の代表的な捉え方の例です。

 

このようにどの理論によって、

どのようにクライアントの問題を見立てるかは、

かなり違ってくるのです。

 

それもそのはずです。

創設した人が違いますからね。

 

十人十色。

 

人によって様々な捉え方がありますから、

人の数ほど心理カウンセリングの種類ものあるのです。

 

じゃ~その理論すべて学ぶ必要があるのか?

と言われると答えは、「No」です。

 

全て学ばなくても援助は出来ます。

 

ただ、一つのやり方を目の前のクライアントに当てはめるのは、

かなり無理があります。

 

というのも、

そもそも各療法というのは、

向き不向きがあるからであり、

心理学の知見も当てはまる人が多いというだけで、

そうでない人も沢山いるからです。

ですから、一つのやり方をやり抜くというのは、

やはり限界があるのです。

 

では、心理学の理論や知見を沢山学べばいいのかというと、

それもまたちょっと違います。

 

というのも、

学べば学ぶほど、

目の前の人の苦しみを見なくなるからです。

 

どういうことかというと、

学べば学ぶほど、

頭が凝り固まってきて、

クライアントを理解したり、

少しでも楽にしたくて

心理カウンセリングを学び始めたのに、

沢山学んだ理論や知識でクライアントを見るようになり、

そういった理論や知識をクライアントに当てはめて理解するようになり、

目の前のクライアントの気持ちを見逃してしまうことがあるからです。

 

ですから、

僕たち心理カウンセラーは、

常にこういった矛盾と闘いながら、

目の前の人を捉え、

受け止めながら、

理論や知識に振り回されることなく、

今日、

目の前に相談しに来てくれた方に出来ることを、

懸命に考えて、

援助をしているのです。

 

ちょっと綺麗なことを書きましたが、

上手く見立てられないこともありますし、

クライアントの力になれないことも勿論あります。

 

それでも、

そのように心掛けて、

葛藤しながら心理カウンセリングをしているのです。

 

というそのようなお話でした。

 

最後までお付き合いありがとうございました。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。
お読み頂きありがとうございました。
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