不安や自責を減らすだけが援助ではない。

カウンセリングにくる多くの方は、

「ネガティブなものを減らしていけば、楽なる」

そんな価値観を持っています。

 

ネガティブなことは何かというと、

例えば不安であったり、

罪悪感であったり、

自責だったりそういった一般的にネガティブとされるものです。

 

こうったネガティブなものを減らしたいと相談しに来る方は多いのです。

「不安を減らしたいです。」

「もう自分を責めたくないんです。」

「罪悪感があって、それを何とかしたい。」

といったように。

 

勿論、少なくする方向性での援助も出来ますが、

こういった方に欠けている視点が一つあり、

その視点での援助も実は大切なのです。

 

その視点は何かというと、

「ポジティブなものを増やしていくことで、少しずつ楽になっていく」

というそんな視点です。

 

罪悪感や自責感・不安を減らす方向性もありますが、

それを少しでも補うくらいに頑張って、

そんな自分を褒めたり、

評価したりすることで、

自分の中にポジティブなもの、

例えば自信をつけて安定感を増やしていくことや、

肯定的な部分を増やしていくという方向性も実はあるのです。

 

楽になるという点では、ネガティブを減らす方向性も、

ポジティブを増やしていく方向も実は同じなのです。

 

ポジティブ方向性を増やしいてくことは、

何もポジティブシンキングをしろという事ではありません。

 

不安であれば、不安な要素を取り除くようなことをするのではなく、

自分が少しでも安定できるように自分に今できることをする。

不安を感じずに、安心する活動や楽しことを少しずつ増やしていく。

 

自責が強いのであれば、

それほど自分を責めてまで大切にしたかった結果を

今度は自分がしっかりと手に出来るように、

同じことを繰り返さないように、

少しでも行動していく。

 

といったように、今できることに集中して、

それを自ら行っていくことで、

出来ることを本当に少しずつ増やしていったり、

日々の生活にポジティブなものを増やしていったり、

そういった方向性もあるのです。

 

でも僕たちは、ネガティブなことを減らそう減らそうと、

そればかりに集中してしまうことがあるのです。

 

でもでも、援助の方向性は、

そちら側の方向性だけではないのです。

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。