心理カウンセリングとは何でしょう?

その定義は沢山ありますが、このお教室では、「行動変容を意図した言語と非言語を用いたカウンセラーとクライアントの2者間のコミュニケーションにより、クライアントと契約を取までの過程」のことをカウンセリンと呼んでいます。

そして、「契約に基づき、クライアントとの協力関係の下、具体的な行動変容を目指す手段の提供」をサイコセラピーと呼んでいます。
※心理療法とカウンセリングの違いを学びたい方は、こちらの記事をご覧くださいね。

さてでは、具体的にどんなことを心理カウンセリング・サイコセラピーではしていくのでしょうか?

一つ一つ見ていきましょう。

心理カウンセリングは具体的に何をするの?

さて、では心理カウンセリング(以下カウンセリング)ではどのようなことが行われているのでしょうか?

カウンセリングは、カウンセラーがクライアントの問題を解決する時間ではなく、 クライアントと一緒に、クライアントの問題を解決する為にコミュニケーションを取っていく時間です。

カウンセリングというと、カウンセラーが問題を解決してくれる。

心理を分析してくれて、言い当ててくれるというイメージを持っている方もいますが、

それとはちょっと違く、共同作業の時間なのです。

ですから、カウンセラーも頑張りますがクライアントさんも頑張る時間なのです。

以下に簡単な全体像を図にしたもの貼り付けさせて頂きました。

見慣れない言葉が沢山あるかと思いますので、一つ一つご説明していきますね。

心理カウンセリング

1.治療構造

まず①の治療構造です。

こちらはきっとまだ聞いたことがないですよね。
なんだか難しそうな感じがするな…と思った方もいるかと思いますが、そんなことはありませんからご安心下さい。

治療構造とは、カウンセリングを行うにあたってのルールのようなものと捉えて頂ければ大丈夫です。

これを設定することで、カウンセリングを安心・安全なものに出来て、クライアントさんは安心して自分の心と向き合えるようになります。

治療構造には、例えば、料金を明示することや時間設定をすることや、一定のプライバシーが守られる場所で相談を受けることなど、何の為にカウンセリングの時間を使っていくのかを説明していく等のルールが含まれます。

こういったルールを設けることで、日常で相談を受けるように、時間も決まってなく、永遠と話をすることや、プライバシーが守られない可能性の心配もすることもなくなります。

また、料金を取ることにより、限られた時間の中でより自分と向き合おうという意志も強くなってきます。

このように治療構造を設定することで、カウンセリングという場が日常から離れた、守られた場所になるのです。

それによってクライアントは、その守られた場の中で自分を自由に表現できるようになりますから、治療構造を設定して安心・安全にカウンセリングを進めていきましょうね。

という一つの取り決めのようなものでもあります。

インテーク面接(初回面談)

先に説明をした治療構造を設定した上で、カウンセリングを行いますが、カウンセリングの初回面談のことをインテーク面接といいます。

このインテーク面接は、カウンセリングにおいて特に重要だとされています。

というのも初回面談では、アセスメントといって今後のどのように関わっていくかの方針を立てたり、その為に人間関係や成育歴などの情報収集をしたり、カウンセリングが可能かどうかの判断を行ったり、相手の状態や自分の力量を総合的に判断して、カウンセリングを受けるかどうかを決定するといったことが主に行われます。

また、場合によっては、リファーといって他の施設に紹介することも検討します。

一番始めにする面談では、今後の方針も含めて見立てて行きますので、とっても大切なるのです。

アセスメント(見立て)

初回面談の際にメインに行われる行為がアセスメントです。

これは、クライアントの心理的な悩みを明確にし、何に困っていて、それがどういった理由で、どのような筋道で解決が出来るのかという今後の治療方針を立てることです。

この方針を立てる際に参照枠として用いられるものが、各種心理学や心理療法などの理論です。

そして、こういった方針を立てていき、実際に介入していきます。

この介入には、認知療法の技法や、ゲシュタルト療法の技法、催眠療法、イメージ療法など様々なサイコセラピーが含まれます。

さらに、実際に介入した結果、クライアントさんから様々なフィードバックが返ってきますので、そのフィードバックを元に、当初立てた方針を修正してきます。

このようにカウンセリングは、アセスメント(見立てであり、仮説)を行い、それに基づいて介入(仮説の検証)を行い、また仮説を修正し、介入していくということを繰り返していくのです。

実は、心理学の研究も同じプロセスです。

人は◯◯な時に、△△するだろうという仮説の下で研究を行い、実験(介入)を行い、フィードバックを下に、その仮説を修正し洗練していくのですから。

ただ、カウンセリングは実験でも研究でもはありませんから、そこは間違えてはいけない大切なポイントです。

さて、カウンセリングではどのようなコミュニケーションが行われるのかも見ていきましょう。

明確化

明確化とは、情報の整理の為に、より詳しく相手の話を聞いていくことです。

私たちが話す現実は、事実ではなく、各々の心理的な現実であり、よくあるパターンを話すことが多い為、より具体的に聞いていくことが大切なのです。

「あの人はいつも酷いことを言う。」

という言葉も、現実を正しく反映しているかどうかは定かではありません。

何を酷い言葉と定義するのかも、人それぞれによっては違います。

そして、いつもという言葉も人によって定義が違います。二回連続で言ったことをいつもと表現する人もいますし、たまたま三回くらい同じタイミングで言われたことをいつもと捉える方もいますよね。

このように私たちが語る言葉は、現実をありのままに反映している訳ではなく、それぞれ人の現実の捉え方の癖が入ってますから、具体的に聞いていき、情報をより明確にして聞いていくことが大切なのです。

そうすることで、お互いに誤解も少なくなりますし、相手の捉え方の癖も分かって来て、より具体的な対処がしやすくなるのです。

問題の焦点化

先に説明した明確化していく過程で、話が広がっていくことがあります。

そこで大切なことが、相手の取り組みたい問題(テーマ)を一つに絞る焦点化です。

悩みを話していると、あれも悩んでいて、これも悩んでいるといったように、芋づる式に様々な悩みが出て来ることがあります。

また、心理的に悩んでいると頭や感情がごちゃごちゃして、まとまらない時や、何に悩んでいるのか分からなくなる時もあります。

その為、クライアントがどのテーマ(悩み)に取り組んでいきたいのかを、ひとつに絞っていくことが大切です。※原則焦点を絞るにはクライアントです。

直面化

これは、カウンセラーが逃げたり、回避したりせずに、気づきを高める為にクライアントとの間に今起きていることを共有することです。

例えば、ある話題になると話題をいつもそらすかたに対して、

「Aという話しをする度に、話題を切り替えますけれど、その話はまだ触れない方が良いですか?」

といったように共有する。

ずっと愚痴ばかりをいっていつも時間が過ぎていく方には、

「ずっとこのまま愚痴を聞いていてもいいですか?
それとも本当に話したい話に時間を使いますか?」

限られた時間をどのように使っていくのかを直面していくなど、今起きている共有し気づきを高めていきます。

契約

さて、治療構造を設定してアセスメントをしながら、明確化や焦点化を繰り返していくことで、クライアントが取り組みたいテーマが決まったら「契約」をしていきます。

ここでいう契約は何かを買う契約書を交わすといったことではなく、「○○という心的な課題に対して、▲▼のように改善したい。その為に今後このカウンセリングの時間を使っていきたい。」という具体的な改善目標を定め、それに対して互いに「同意」を取ること指します。

この契約の下で、具体的に改善へと向かえるように心理療法を行っていきます。

この心理療法には、

・認知行動療法
・フォーカシング
・催眠療法
・解決志向アプローチ
・イメージ療法
・箱庭療法
・EFT
・EMDR
といったような様々なものがあります。

契約のもとこういった療法を用いて、具体的に介入していくのです。

もちろん会話で介入していく場合も多くあります。

日常の悩み相談では、相手のニーズを確認して契約をとってから介入(アドバイス等)をすることはほとんどありません。

しかし、カウンセリングではニーズを確認し契約を取り、それに対して改善していきたいという同意のもと、その改善目標をお互いに見据えてそれに向かってコミュニケーションや介入が行われて行きます。

また、契約はカウンセラー側からの提案ではなく、クライアントの意志により決まりますので、改善をしていきたいという気持ちも高まり、自分の人生を自分で責任を取っていく態度も養われていきます。

こういった点も日常の相談とカウンセリング違いです。

言語のみではなく、非言語ともコミュニケーションをとる。

カウンセリングでは、言語のみのコミュニケーションではなく、

非言語(表情・声のトーン・速さ・呼吸・姿勢・身振り手振り等)ともコミュニケーションを取っていきます。

それはなぜかというと、心の不調和が非言語に出ていることがとても多いからです。

例えば…

・「大丈夫です。」と言いながら、こぶしを握り締める方。

・「もう忘れましたから…。」と言いながら、唇をかみこらえているようなしぐさをする。

・「本当に仕事を辞めたい。」といいながら、椅子に深く腰かける。

・「Aもやりたいし、Bもやりたい。」と語りながら姿勢が左右に揺れる。

などなど、人の感情は言語と非言語に現れます。

そして、言語と非言語の不一致が起きる時は、大抵本人の中で葛藤(悩み)が起きている時であり、

その非言語に感情が隠れていることが多くあるのです。

そこにカウンセラーは気付く必要があり、そこに対して声をかけていくこともとても大切です。

その為、カウンセリングでは言語と一緒に非言語もとても大切にしていくのです。

なぜなら心の悩みの多くは、”感情”のわだかまりが問題ですから、それに気づいて解消していくことが大切だからです。

「忘れなきゃってわかっている(頭)、でも寂しくてついつい連絡してしまう。(心)」

このように、頭で考えても、”心=気持ち”がもやもやしていたり 心が寂しい、悲しいって言っているから(わだかまりがある状態)、人は悩むのです。

そこで悩みを解決していくには、気持のわだかまりを解消することが大切です。

ただ、この気持ちというものは、これを読んで頂いているあなたもお分かりかと思いますが、安心できる状態でないと中々出て来てくれない恥ずかしがり屋なのです。

安心できる人や、信頼できる人の前では素直に怒れたり、
悲しんだり、笑ったりできるものですよね。 

カウンセリングでも同じなんです。

その為、最初は、安心して話が出来き、 あなたが気持ちを表現できるように、コミュニケーションをとっていきます。

その上で、「大丈夫かな?」ってちょっと顔を出したあなたの気持ちに寄り添い、
その気持ちのわだかまりが解消できるようにコミュニケーションを取っていきます。

感情のわだかまりを解消する。

この気持ちのわだかまりは、”頭”で考えるだけではなかなか解決できません。

解決するのには、”頭”で考えるのではなく”行動”することが大切になります。

ただ、行動といっても”今すぐ気持ちを伝えるために電話する”といったような行動ではありせん。

ここでいう行動とは、

悲しい気持ちがあるのなら、その悲しみ頭で考えて止めるのではなく、体で感じてみること。

そして、本当は癒えなかった気持ちを言葉にしてみること。自分を抱きしめてみること。

これまで頑張ってきた自分をイメージで目の前に座らせて、実際に言葉にしてみること。

怒りがあったら、その怒りを言葉にしたり、気持ちを書きなぐったり体から出してみること。

といったように、様々な乗り越えるための取り組みのことです。

そういった行動を通して、”気持のわだかまり”は解決していくのです。

さて、こういった手段を通して気持ちのわだかまりを解消していく過程でどんなことが起きるのでしょうか?今度はその効果を見ていきましょう。

カウンセリングの4つの効果

 

カウンセリングでは、カウンセラーとクライアントの相互交流により、
自分の内面への気づきが高まり、
「本当はこうしたかった気持ち」「手にしたかった気持ち」「蓋をしていた気持ち」
等に気づくようになり、自らの気持にまっすに歩めるようになります。

そして、それらの気持ちを丁寧に感じていくことで、気持のわだかまりが解消されて行き、
心の葛藤が解消され、結果として捉え方の変化が起こることが良くあります。

また、その過程で、カウンセラーとの交流で、
ウンセラーに自らを受け入れられることで、 自らを受け入れる事が出来たり、
自らに気づくことで、自分を受け入れる事が出来たり、 といった事が起きてきます。

サイコセラピー(心理療法)とは?

さて、カウンセリングでお話を聴いて焦点化をしていき相手のテーマを絞り、契約をとった上で行うこと。

これが解決へ向けた具体的な方法であるサイコセラピーです。

サイコセラピーには、様々な種類があります。

・催眠療法
・ゲシュタルト療法
・認知行動療法
・精神分析
・行動療法
・認知療法
・家族療法
・対人関係療法
・ロゴセラピー
・EMDR

等々沢山の種類があります。

サイコセラピーを最初にしたといわれているのが、フロイトという人物です。

この方は、ドイツの精神科医で、患者に対して精神分析を行い、有名な各種理論(防衛機制や心理性的発達段階etc)を創り上げ、その影響は今も大きく残っています。

そもそもこのサイコセラピーは精神医学の分野から始まり、対象としていたのは当時のうつ病や統合失調症の方、神経症の方がメインでした。

その為、話を聴くというよりは具体的にどのように介入し、改善していくのかということがメインでしたので、医者が患者の心を分析して、それを伝え、アドバイスをしていくことがメインでした。

それが変わったのは、ロジャースが台頭してきてからですが、このお話は長くなるのでまた機会があれば…。

さて、ちょっと話が脱線しましたが、サイコセラピーはこのような背景があり、実際に介入し改善していくことがメインでした。

今は、カウンセリングもそういう側面がありますから具体的に明確な定義は難しく、できなくなっておりますが、この教室はその流れを汲んで、話を聴くだけではなく実際に介入していくことをサイコセラピーと呼ぶことにしています。

そして、この教室ではゲシュタルト療法の技法の一つであるエンプティ・チェア・テクニックや、フォーカシングなどを用いて、感情のわだかまりや心の癖を改善する技術を教えています。
※詳しくはこちら

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 ・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行ってる。また、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってほしい。ただ、理想への道のりは長い!
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