動機付けには大きく分けて二つあります。
一つは外発的動機づけ。
これは外側から得られる動機付けで、
褒められたり応援されることや、
お金や地位などの外的な報酬などにより、
モチベーションが高まることです.
もう一つは内発的動機付けです。
これは、自分の内側から湧き上がってくるもので、
外的な要素とは関係なく、
自分の好奇心や探究心などから、
その行動を起こします。
さて、なぜこんな説明をしているのかというと、
人の話を聞いて、
やる気を高めたいという方もいるからで、
その時にこの視点が役立つからです。
やる気を出してもらおうとすると、
多くの場合は給料をあげる、
どこかに連れて行ってあげる、
何かご褒美をあげるといった、
外的な報酬になりがちですが、
これは外的動機付けとなり、
一時的にはモチベーションは上がりますが、
やっぱり長続きはしません。
またアドバイスをしたり、
力づけたりしても、
それが本人の内側の動機とマッチしなければ、
これまたモチベーションは長続きしません。
じゃ〜どうすりゃいいの?
というと
変わりたい動機や、
やる理由
変わる理由は、
既に本人が持っているので、
そこを聴くということになります。
あ、もちろん変わらない動機も
やらない理由も、
既に本人が持っています(^^;
さて話を戻します。
やる理由、変わる理由は、
本人が持っているとお話をしましたね。
本人が持っているということは、
本人の内側にあるということです。
そしてこの内側には何があるかというと、
本人が大切にしているもの
つまり価値観があります。
人はこの価値観が多くの行動基盤となっています。
「自由」という価値を大切にしている人と
「安定」という価値を大切にしている人とでは、
行動が違うのはこの為です。
そして、
よくいう「価値観の違い」という言葉も、
何を大切にしたいのかという価値が違うので、
それが行動の違いとして現れて、
この人とは合わない。
となって喧嘩したり別れたりするのです。
このように価値観は人の行動指針となりますから、
お話を聞く時も本人が大切にしている価値観を
こちらも大切に聞くというということが大切になります。
それは、価値観が満たされている時、
僕たちは悩むことが少なくなり、
一致感をもっていろんなことに取り組めるからです。
逆に悩むときというのは、
自分は本当は大切にしたい価値観を大切に出来ていない時なのです。
例えば、「丁寧」という価値を大切にしたいのに、
丁寧ではなくてとりあえず早くやれ!
という「早さ」を求められると、人は嫌な気分になったり、
「本当は丁寧にやりたいのにな~…。」と感じ、
悩んでしまうといった場合がこのケースにあたります。
このように価値観は行動指針となり、
それが満たされるか否かで、
人の行動における満足度も左右されるのです。
そして人は、願わくば自分の大切にしたい価値観を大切にして、
日々行動をしていきたいものです。
仕事でも家庭でも、プライベートでも同じです。
自分の心の奥にある価値観を大切にして、
日々行動をしていきたいのです。
ただ、それが出来ないとモチベーションが下がったり、
行動を起こせなくなったりしますから、
もしやる気を高めて欲しいといったときは、
本人の内側にある価値観を大切にして
コミュニケーションを取れるようになると、
内発的動機づけが少しずつ高まってきます。
また、これは何も相手に対することのみではなく、
自分自身に対しても言えることですので、
自分が何を大切にして日々行動しているのか、
もしくは何を大切にして行動していきたいのか、
これはとっても大切な問いになります。
外の基準に合わせるのではなく、
内の基準も大切にする。
そうした先に、自分の内側から自然とモチベーションは沸き上がってくる。
モチベーションってそんなものなのです。
昨日の傾聴入門講座ではこんなお話のさわりもさせて頂きました。