「誰も自分のことを理解してくれない。」
と言われる時は、相談にのっていると間々あります。
そんな時に一つ考えとして頭の中に置いておくと役立つのことは、
「~さんをわかってくれないなんて、ひどい奴だ!」
ではなく、
「もしかしたら、その人は自分がその頑張りや思いや気持ちを一番わかってないのかもしれない。」
という考えです。
それはなぜかというと、
人は自分のその頑張りや、思い・気持ちを自分が一番わかっていたとしたら、
人に理解してほしいと求めないからです。
もちろん、認めてほしいという承認欲求は湧いてきますが、
自分の気持や想いを自分自身が分かってあげれていたら、
過度に相手に理解を求めてイライラしたり、悲しくなったりはしないのです。
とはいえ、相手に「誰も分かってくれないのは、自分が一番分かっていないからだよ。」
なんて伝えたとしても、相手にとっては?になるでしょうし、
自分の孤独感や寂しさなどの気持ちをないがしろに扱われたと感じて、
余計に悲しくなるか、怒りが湧いてくるかのどちらかですから、
それはあまりいい策ではありません。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、その誰も分かってくれないという時に多くの人が抱える
孤独感や寂しさを労わる事です。
誰にも分かってもらえないと感じる時は、
自分の存在自体が認められていないようで、
寂しくもあり、
自分の周りに誰も自分のことを分かってくれる人がいないと感じ、
とても孤独感を感じてもいるのです。
その「誰にも分かってもらえない寂しさ孤独を本人が受け止められるように、聞き手側がまずは表に出ている怒りや悲しみを受け止めつつ、その奥にあるそれらの気持ちに言葉を掛けていく」ことが大切なのです。
その為、まずはその表面に出ている怒りや悲しみを受け止めつつ、
誰も分かってくれないと感じるその孤独感や寂しさに声を掛けていくことが大切です。
それは例えばこんなように。
「その大変さを分かり合えない孤独をずっとお一人で抱えて来たのですね。」
「そして、その孤独を誰にも分かってくれない孤独感も一緒に…。」
「どれくらいの期間その時期を過ごしてきたのでしょうか。大変でしたね。」
といったように、怒りや悲しみを受け止めた後に、
本人がその心の奥にある孤独感や寂しさを受け止められるように
声を掛けていくことが大切なのです。
この他にも本人が自分の気持を受け止められるように、
その認めてほしい行動の裏にどんな気持ちがあったのか、
どんなことを受け入れて欲しかったのかを汲み取り、言葉を掛けたり、
時に質問によって、その思いを言葉にしてもらう。
そんなお話の聞き方が、「誰も分かってくれない…。」と相手が語る時に大切なことなのです。
余談ですが、誰にも分かってくれないと語る時に怒りがある場合は、
まだ理解して欲しい気持ちが強く残っている状態です。
反対に悲しみが出ている状態は、
もう誰も分かってくれないんだなとショックな気持ちと共に寂しさを抱えているのです。
この辺りのお話に関しては、あわせて「気持ちが伝わらない悲しみと怒り」を読んでみて下さいね。